山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

薔薇のお線香

雨が大降りでしたが、ようやく止んだのでその一瞬を狙って外出。
名月堂で「博多通りもん」(のだめで有名になったね)を一折り買って、友人宅へ送る。
「熨斗にご仏前と書いて下さい」と店員さんに頼みながら、胸がキリキリ痛む。
送り状を書いて、「よろしくお願いします」と頼み、店を出たところで気がついた。
「しまった、お線香も一緒に送れば良かったんだ」
後の祭り。
お線香はなにか香りの良い物を選んで、後で別便で送ることにしましょう。
本当は花でも持って訊ねるのが一番いいんだろうけど、なかなかそうも出来ないし。

まだ仏壇も買ってないし、お墓も決めてないと言ってたっけ。
人によっては反対する人もいるかも知れないけど、ワシとしては。
もう納得するまでお骨は自分の手元に置いておいて良いと思うんですよ。
ワシだったら自分が死ぬまで手元に置いてしまうかも知れない。
毎日線香を上げてお鈴を鳴らせば、何か語る言葉も出てくるし。なによりも、「家にいる」とう感じが強いですからね。
例え、お骨になってもこの「家にいる」という印象は大切ですから。

義母が亡くなったときは、ウチは四十九日前に購入して、四十九日の席で親戚一同に新しいお墓を買ったと宣言し、ソレが実質上の絶縁宣言にもなったんだけど。
(実は夫側の親戚は義母が養女だったために、血が繋がった人が一人もいなくて。義母も夫も冷たくされていた)

自分が義母や義弟を亡くしたときに、一番助けてくれて、支えてくれたのは友人達だった。
あの時ほど人の情け、人情の優しさを知った事はなかった。
急いで食べ物を送ってくれた人。
疲れ果てたワシにお昼ご飯を食べさせて呉れた人。雑用を引き受けてくれた人。
みんなの情けで生きて居るんだなあと実感した日々でした。

次はワシが誰かを手助けする番です。
さっき、薔薇の香りのお線香も買ってきました。
荷物、他は何を送ろうかな?
年内めどに、いろいろ見繕って詰め合わせセットにして送りましょう。