山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

椎名誠との夜

夕方、テレビを見ていた(「坂の上の雲」第二回@NHK Hi-Vision)ら、友人から電話。
なんと、もう早速、博多通りもんが届いたそうで。
「凄く嬉しかった!すぐ仏前に供えてJさん(彼女の夫)とお線香あげたよ」
と声が弾んでいる。
そんな、あんな饅頭一折りでそんなに喜んでいただいて恐縮です。
故郷を離れて、嫁に行き。知らない土地で子育てして来た彼女の苦労がかいま見えた気がした。

のだめカンタービレ読んでいる?」と訊くと、
「全巻読んだよー。最新刊はちょっとアレだったけど、面白い話だよねえ。漫画が気に入ったからドラマも全部見たよ」と彼女。
「あの漫画に出てくる饅頭だよ」と言うと、
「あー!のだめのいつもの手みやげか!!思い出したー」と彼女。

すいません、ワンパターンな女で。
最近、手みやげはずーっとコレです。

「オクレール先生お気に入りの通りもんかー。そもそも博多って響きが懐かしいよ」と彼女。
そうだよねー。
彼女と最後に博多で会ったのは。
多分、彼女が結婚式の前にしばらく実家に帰っている間での事。
椎名誠と会った夜の事だわ。もう20年以上前のこと。

椎名誠と会うんだけど、一緒に来る?」と実家でヒマそうにしていた彼女に電話したら、本当に即、やって来たので笑っちゃったものだった。
「実家はヒマでヒマで」と言いつつ身軽にバスで博多まで直ぐに出てきてくれたんだった。

博多の居酒屋で椎名誠と待ち合わせ(変なシチュエーションですが)
当時、まだ若くて髪の毛がふさふさだった_後に我が家の設計者になるワシの友人のカームラ氏も同席。

何故か、「椎名誠と博多の一夜」の席は、カームラ氏、ワシの幼なじみの彼女とワシという不思議なメンバーでの顔合わせとなった。
当時、神戸のデベロッパーに勤めていた彼女が平日の夜、そんな場所(博多区)に居るのも変だし。
ワシもカームラ氏も既婚者なのに、何故かお互い自分の配偶者とは同席していない(仕事が忙しかった)という。
そこに東京からやって来た椎名誠氏がやって来るという。
世の中、変な事が起きるモノです。

その一夜は殊の外楽しく。
みんなで撮った記念写真は今もアルバムの中。

「なんか、区切りがついたよ。Jさんと、あの子はもう帰ってこないんだねと話し合ったよ」
と、彼女。
ゆっくりとでいいよ。どうか無理をしないで。