山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

その正体は「極光」であった

夜、学校の帰りに長女がお店に立ち寄って、リペア出来た「ハリーくん」を引き取ってきてくれましたよ。
駅に迎えに行ったら、大荷物抱えた長女が憤怒の形相で待っていました。
どうやら電車の中がギュウギュウの人混みで、重いハリーくんを背負ってさらに学校のバッグを二種提げた姿での帰宅はさすがに「拷問のようだった」そうです。
すまんすまん。
お駄賃あげるから、コレで許してくれい。

さて、家に帰り着いたら早速、Gibsonのギターケース(友人夫のギタリスト氏からの頂き物<人様のお情けにすがって生きてます)からドキドキしながらハリーくんを引き出すワシ。
見て、思わず一言↓
「うぉお!!素晴らしい!」

思わず簡単の声を上げる。
隅々まで綺麗に磨き上げられ、ネジも新しいモノに替えて貰い、どこもかしこもピカピカです。
まるで新品のギターのようです。
「20年前のギターには全然見えないねー」

さっそく、チューニングしてプラグイン後、音を出してみます。
「おお、断然、弾きやすくなっている!素晴らしいー♪」

ネックの角度を調整し直して貰ったので、弦高が揃って低く保たれ、ストロークがとても当たりやすいですよ。
しかも、音が綺麗!
クリーンで透明な、曇りのないキラキラと輝いた音が降り注いできます。
「本当に、コレの何処が『ハリケーン』なんでしょうね。これじゃまるで、ガラスとかオーロラみたいな音だよ」
この無名のPUが出す音はとても特徴があって、「美しい」の一言に尽きます。
想像通り、同じストラトキャスターのコピーモデルだというのに、先住のトラちゃんとは全くタイプが違う音が出るギターでした。
でも、同じように(もしかしたら、同じ人の手によるモノだったりして)ギター職人さんが、良い材料を使って、心を込めて魂を傾けて作り上げたギターです。

そういえば、「眠れる森の美女」での百年間眠り続ける主人公の名前は、「オーロラ姫」でしたな。
「そうか、君は本当は極光だったんだね」
英語名=northern lights 日本語名=極光号
通称=ハリー君は、実は男装の美少女「オーロラ」ちゃんでありましたよ。
黒いスーツに身を包んだ、白いカフス姿の男装の美少女。
「縁あって、おばちゃんの所によく来たね。先住のトラちゃんも居るから安心してね。これからどうぞ仲良くしてね」
ナデナデしてあげましたよ。