山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

最近嫌な話が多いので映画の話でも

100円レンタルの日に借りてきたビデオが面白かったので、返却前にダンナに見せたいと思い、夕べ寝る前に「コレがお薦めよ」と言ってオイタ。
今朝起きて、「アレ、観た?」と聞くと、「あぁ、観たよ。良かった」とダンナが言う。

作品は『幼なじみ』
フランス映画だが、聞いたこともない監督の映画。
他に借りたビデオに予告編が入っていて、面白そうだったので借りた一品。
「100円の日だし、ハズレでもいいか」と軽い気持ちで借りたのだが、コレが大当たり!だった。

ダンナも「オレはココ数ヶ月間、テレビの連ドラに延々つき合ってきて、そのあまりの結末のしょーもなさに打ちのめされていたトコロだったので、この映画に救われた!」とまで言う。
なんでも、この監督は常にマルセイユを舞台に決まった役者を使い、地道に映画を作り続けている人らしいが・・・
(日本で言えば、山田洋二とか倉本聰とかかぁ?<違)

とにかく、二時間という映画の中でシミジミと愛について語る映画で、感動して思わず泣き濡れてしまう。
舞台はマルセイユ
建築労働者の父を持つ娘が、幼なじみの近所の黒人少年と恋に落ちるという話・・・だと予告編を観て、思っていたら、話の軸はもうチョットずれたところにあった。
そこが大変面白かった。

以下、映画のネタバレ。読みたくない人は読み飛ばしてください。

娘の父親は、恋を知った娘の姿を見て、自分が彼女の母親(つまり、今の妻)と初めて結ばれた日のことを思い出す。
ベッドで全裸でまどろむ若い頃の妻(当時は恋人)の姿。
その白い、美しい背中。シーツをめくると、見事に盛り上がった丸い尻が露わになる。
その姿にシミジミと見とれて、若い日の夫は彼女にこう言う。

「ボクは君に星を贈ろう」

もう、コレだけで涙のツボが押された。両眼から涙が流れるワシ。
貧しい一介の職人の彼には、こんなにも美しい、自分のものになってくれた愛しい恋人に差し出すものがナニもない。
白いシーツの上に横たわる彼女の美しい姿。
その姿に報いるものはなんだろうと考えて、その結果この台詞を言うのだ。

この美しい彼女にふさわしいのは、この裸体を飾るのに一番似合うのは、空に輝く星であると。
せめてそれを彼女に贈ろうと。
神でもなければ手に入らない星ではあるが、今、恋に落ちている自分にはソレに手が届くと信じるこのココロ。
ソコに一番感動した。