山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

包丁持って、「あの頃、ペニー・レインと」を観る

いま、地元百貨店に「大江戸展」が来ているので、「包丁研ぎ」に出さねばならない。
もう、10年ほど前にこの「大江戸展」で購入した、東京の老舗金物屋の包丁を使っているのだが、コレが未だに切れる切れる切れる。
スッパリ、サックリ。自分の指まで、「あ」ちゅーまに切れる。
しかも、「切れても全然、痛くない」(謎笑)
切れた時、ワシは思ったね。

「多分、昔のヒトも日本刀でバッサリ切られた時は、全然痛くなかったんだろうなぁ」(^-^;

で、しかも、切った指の血がなかなか止まらないの。
スッパリ、結構深々と切れるから、「思いの外、傷は深かった」りする。

大体毎年同じ時期に「大江戸展」が巡回で来るので、この包丁も毎年研ぎに出していたのだが、去年は出せなかった。
さすがに、切れ味が落ちて、多少の刃こぼれもしている。
せっせと、包丁を新聞紙に巻いて上からガムテで止め、「鞘」を作り、バッグに入れる。
「今年は出さねば!」と固い決意で家を出発。

しかし、今日は「毎月一日は映画の日♪」なので、映画も観たい。
我が「青春映画の巨匠」キャメロン・クロウ監督の、初のアカデミー賞脚本賞)受賞作「あの頃、ペニー・レインと」を観なけれバ!!
百貨店へ行く前に、映画館へ入場。
「こんな包丁持って映画観てる観客はワシだけ?」とチョットどきどきしながら。

観た。うぅ??ん。やはり脚本が素晴らしい。
ひたすら感心させられる。
世代的にも近い(クロウ監督はワシより2歳年上)せいか、時代背景(1973年)やその精神性にものすごいシンパシーを感じる。
「ペニー・レイン」という名前の少女はロックバンドのグルーピーだが、同時にバンドにインスピレーションを与え、励まし続ける「ミューズ(美神)」でもある。
「はかなく、美しい音楽の精(スピリッツ)そのもの」として、このグルーピーを優しく暖かく描いてみせる、クロウ監督に「激しく熱い」一票を!

映画後、百貨店に出向いて「うぶけや」さんに包丁を渡す。
「東京でもう一度焼きを入れてから、研ぎ治して郵送で送り返します」と言われる。
(簡単な研ぎ治しだったらその場でして貰えるが、ウチの場合刃こぼれまでしているので、大がかりな治療が必要)
横で丁度、包丁を購入していた初老の夫婦に
「そんなにココの包丁はイイですか?」と聞かれ、
「10年以上使っていますが、素晴らしいです」と答える、ワシ。