山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

マイノリティーさは血筋が原因

朝から生暖かい雨が降る。
霜で真っ白だった昨日とは、うって変わった天気。
春なのか?

せちたろー、玄関から出るなり「うわ!風が生暖かくてキモチ悪い?!」と言う。
元気に走って登校。
ボイスは小屋の中でフテ寝。いつもの風景。
庭の山法師の木も、沢山の水滴を滴らせている。
もうじき芽吹きらしく、枝先が紅色に染まっている。
あ。思い出した。

日曜日にウチに来た、カームラ氏(ウチの設計者・47歳オトコ・長年の友人)との会話。

カームラ氏(ウチの庭に新しく植えた山法師の木を見ながら)
「ボクは最近、山法師は良い木だと目を付けていたのだ」
ワシ「ほー、そーかねワシは昔から目を付けておったよ(←負けず嫌い)花が咲いて、紅葉して、結実した実まで食べられる木は貴重だもん」
カームラ氏「アレ(庭の山法師)はいくらした?」
ワシ「ふっふっふ。当ててみなせえ!」
カームラ氏「3万五千円!」
ワシ「ちっ。当たっちまったい。値切って3万円だ。植え込み料金込み」
カームラ氏「アレが赤のアメリハナミズキだったら35万はするね。あの大きさじゃ」
ワシ「げ!?仲間ジャン。ハナミズキと山法師は同じ科目の木ジャン。何で値段が10倍もするのよ!?」
カームラ氏「世間の需要の問題よ。ソレは」
ワシ「え。ワシなんか、一点の曇りもない純白のアメリハナミズキを探しに探して、やっと1本見つけて、裏山に植えているのに」
カームラ氏「ソレは、純粋に需要の問題。みんなは、赤い花が咲くアメリハナミズキの木が欲しいの。白は要らないの」
ワシ「でも、赤のハナミズキの花って葉脈が血管みたいで気味悪いよ」
カームラ氏「世間の人はソレをアリガタガルの」
ワシ「純白の方が清潔感があっていいのに?」
カームラ氏「世間なんてそんなモンよ」

カームラ氏はワシが25歳の小娘(!)の頃からの友人であるが、この二人の間で何度「世間なんてそんなモノよ」の会話が交わされたコトか。
しかし、コレもワシの趣味指向が世間的にマイノリティーであることの一つの証明か?

夜、テレビを観ていて田村正●の缶コーヒーのCMを見て、せちたろーと子鬼が「きっもちわるい?怖い?変なおじさ?ん!」と騒いでいた。
実はワシも「キモチわ?るい」と常々思っているCMだったので価値観の似てる加減にオドロク。
かくしてマイノリティーさは受け継がれて行く。

その後、ニュースで「福岡地方、今日春一番が吹いた」と言っていた。