山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

髪をカットして映画。お休みのフルコース!

髪が伸びてきているのが鬱陶しくて、散髪に行く。
いつものOさんの店に行くと、男性客一人をカット中。
「あ、いいですか?」と訊ねると、「スイマセン。店を今、完全予約制にしていて、もう今日は夜まで一杯なんです。また、お願いします」と汗だくの顔で言われる。
「あれ?困った」と思いつつ、ふらふらと天神の町中を彷徨う。

髪をカットするだけなのに、「知らない店に飛び込みで切って貰う」のはスゴク気分的な負担が大きい。
困り果てたワシの頭にフト、「じゃ、O父さんはドーだろう?」と名案が浮かぶ。

いつもカットして貰っているOさんの実の父上に、ワシは以前、随分長いことお世話になっていた。
「店に出てるかな?」と思いつつ、「O父さんの店」に。

「O父さん、いらっしゃいます?」と訊ねると、「今日は別の店に出てます」との事。
「あ、じゃ(カットはこの店なら)誰でもイイや」と椅子に座ると、わざわざ電話で「O父さん」を呼んでくれる。

久しぶりの邂逅。
ワシは15年前?8年前までこの人にズ??っとカットして貰っていたのだ。
普通のオジサンだが、「ものすごい職人さん」である。

ワシのことを彼が完全に思い出したのが、ワシの耳下の「一房の真横に向かって生えている髪の毛」であったのを一目見て、というのもその「職人ぶり」の証拠か?
「あ。この髪の毛!そうそう。コレが難しいんだよねえ!」とニッコリ。
(この髪の毛のセイでワシはなかなか他の店でカット出来ないのだ←この毛の処理には「熟練の職人技が必要」なので)

今は、週末にしか店には出てなくて、美容学校で先生をして後進の指導にあたっているとの事。
学校長がO父さんの弟子だったので、こーゆー事態になったらしい(お店の女の子から聞いた話)
もともと西日本各地から、理容美容師の二代目三代目をその親御さんに頼まれて、弟子として多数預かって指導して来ているヒトなので、当然と言えば当然だが。

相変わらずの素晴らしい腕前。
ワシの硬くってクセがあって、ものちゅごい本数の髪の毛を、美しくシャープにまとめてくださる。

映画「グリーン・デスティニー」(アン・リー監督チョウ・ユンファ主演アメリカ・中国合作映画)を観て帰宅。
美しく、格調高い画面と音楽(ヨーヨー・マ)、心躍るストーリィと殺陣、美しい男女二組の悲しいロマンスに心酔する。
まさに「美と冒険の満漢全席」な作品であった(せちたろーも大感動チュウ)