アマプラをなにげに開いたら、この映画が配信されてましたのですかさず見ましたよ↓
「アギーレ/神の怒り」(1972年 西ドイツ ヴェルナー・ヘルツォーク監督 クラウス・キンスキー主演)
時は16世紀、キト(現在のエクアドル)からアンデスを越えて南米奥地にあるというエル・ドラド(黄金郷)を目指す一行がありました。
川に道を阻まれ、仕方なく筏で川を下り始めるのですが…そこには恐怖と飢えと原住民からの襲撃と疫病と死と猿が待っていました…
副隊長のアギーレはコンキスタドール(アメリカ大陸征服者)を遂行するために「とにかく川を下ってエル・ドラドを目指す」と指揮を取り続けます。
見ながらワシは思い出しました。
「この映画…女がいるけど、『地獄の黙示録』にそっくりじゃね?」とね。
アギーレ=カーツ大佐(山奥にいる狂気の人)とウィラード大尉(とりあえず目標目指して川を船で旅する人)の合体キャラと言いましょうか。
カーツ大佐の狂気って未だにワシは全然理解できてないんですけどw(初見時、「アメリカ人、よくわかんねーな」だったけど、ソレは今も変わらない)
アギーレの狂気はなんだかとっても説得力があって理解できました。
信仰と征服欲、名誉と黄金が欲しくて欲しくて狂気に駆り立てられていきます。
やはりヘルツォーク監督、ものすごく絵力がすごいw
もうものすごい迫力です。目に焼き付けられます。
ながーーいコンキスタドールの隊列が、インディオの奴隷を引き連れてアンデスの断崖をヨロヨロと降りてくるファーストシークェンスの俯瞰ショットにたまげます。
あと、役者さんの命が安い安い。一体100円くらいの価値しかヘルツォーク監督は見出してない模様でして。
濁流の大河の中に、普通に筏に乗せてポイポイッと漂流させます。見ててヒヤヒヤします。
あと、若いクラウス・キンスキーがどうにかした拍子にブラピに見えます。
もしかしたらタイプ的に近い顔なんかもしれませんね。
未開地に踏み入る白人の狂気が描かれている作品です。
是非とも「地獄の黙示録」と併せて服用なさってくださいね。
一応、この「アギーレ/神の怒り」は史実を元に作られているそうですが…
史実のアギーレは生き残って川を下りきって大西洋に到達し、スペイン王室に反旗を翻すんですよ。
事実は映画より奇なりき…