山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

乳がんになって幸せ(負け惜しみじゃなくてw)

薬局の前を歩いていたら、ドコからとも無く、
「サイトーさん、サイトーさん!」
と、ワシを呼ばわる声がする。

「え??ドコからこの声はするのっ!?」

と思わずキョロキョロしていたら、総務のTさんが両手を振りながら目の前に登場。
「わ、びっくりしたw」と言うと、
「サイトーさんのこの前のお休みも有給にしちゃっていいんですよね!?
と、Tさん。

「ええ〜〜悪いです。そんなにしてもらって」と言うと、
「いいんですよ!まだ二十日近く有給は残ってますからこんな時こそ使いましょうよ!」とTさん。
Tさんすごいや、上司より決断力があるw

前にもこの日記に書いたと思うけど、Tさんて社交的ではないし、いつも一人で食堂でつましいお弁当を食べているような女性で。
友達とかも積極的に作らないタイプなのに、ここ2ヶ月ほど、ワシにすごく親切にしてくれるので、嬉しいです(素直)

ワシは乳がんになって、社内にワシに親切にしてくれる人を沢山増やしたようだ。
うーん、乳がんになって得したことの一つ?

こういう書き方は変だけど。
ワシ、乳がんになって、「良かった」て思うことが実は色々とあってですね。

マイナス面は勿論、毎日の放射線療法に4740円かかっちゃうって事とかwあるんですけども。
ほぼ、生活面では病気前と変わってませんね。

それよりも人の情けが身にしみるっつーか。
みなさんの優しさに両手を合わせたいほどの感謝を覚えながらの闘病の日々なんですよ。

みんなワシに優しいなあ。
愛してくれているだなあと、実感することが多くて。
実は結構幸せ者なんですなw

リアルの友人関係はモチロンのこと。
ネットの友達も続々メールで励ましてくれる。
(のに、どの誰から文面でも、「またライブハウスで会おうよ!」で締めくくられているのはいかがなものかw)

夫もボイスの老犬介護だけでも大変なのに。
(ワシも手伝っているとは言え)
毎日ワシの病院の送り迎え(自分で運転していった翌日に目眩でひっくり返ったので用心のためやってくれている)
仕事で遅くなるワシのために夕飯製作と、八面六臂に頑張ってくれております。

ワシとしては、
「もうこんな病気になっちゃって、乳に傷のある女なんか嫌だよね?」
と思うこともあったのですが。
夫は相変わらず、不器用に真っ直ぐな愛情でワシに向きあってくれております(ノロケ)

うーん、二十歳でこの人と出会って。
「あ。ワシが愛する男の人はこの人なんだ」と感じた直感は間違いじゃなかったんですね(苦笑)
乳がん患者の幸せな日常であります。