山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

若い人のためのエレファントカシマシ案内 5

と、言うわけで、ワシの中での「エレカシ・クロニクル」は「ガストロンジャー」以降は「白紙」です。
21世紀のエレカシは、本当につい最近まで「白紙」だったのです。
正直、20世紀末のエレカシの歴史は、「無かった事にしてしまいたい歴史」です。

熱烈なエレカシファンからは多分、怒られると思いますが、本当に、特に、コバタケと組んでいた時代はワシにとって「消してしまいたい過去」なのです。
もうCDを聴くのもイヤでしたので__コバタケと組んだCDなんて特に、もう殆ど聴いてないですね。
「あのエレカシがこんなに腑抜けになって!?しかも音楽もメタメタ&ダメダメじゃん??デモテープを聴いて、『こんな音じゃねんだよ!』と叩き壊したミヤジは何処へ行ったの!?」と衝撃が大きかったんです。

あんなに世界を拒否して、「自分が愚かな民衆を導くのだ!」と意気込んでいた青年が、ロックだけを武器にして、全世界と戦っていた男が、こうもやすやすと金の亡者に引かれるままに、あっというまに世間の泥に塗れていくサマは壮観でしたよ。
もうあの鮮烈なミヤジは消えたのです。

団地で火鉢を抱えて鬱屈していた青年が、あっという間に「自然体」が売り物の売れっ子女優とスキャンダルを起こして、ポルシェを乗り回す。
それがどれだけ当時のワシを傷つけた事か(なーんてね)
「傷つけた」はオオゲサですが、本当に当時、リアルタイムでは「ミヤジには失望させられた!」と思っていましたね。
だって、彼のこと、一方的とはいえ、二十歳過ぎくらいからずーっと知ってたんですもの。

当時何がイヤってあーた(誰?)
あの!ミヤジがドラマなんかに出てて、キスシーンまで演じていたという(失神)

本気で「急に売れてアタマがおかしくなったのか?」と思いましたよ。
そうですね、この衝撃を例えるなら___あぁ。いかん、いかん、怒りのあまりに私怨が挟まってしまいそうなので割愛です(--;

とにかく、当時のミヤジには大層失望しましたね。
それもあったからこそ、一昨年ぐらいからのエレカシの復調ぶりには感動したんですよ。

「あぁ、ワシが好きだったエレカシが帰ってきてくれた」ってね。
しかも新曲「笑顔の未来へ」の歌詞&メロディの素晴らしいこと!
「やっと音楽が人と繋がる手段だと分かったのね?観客は敵では無いって、やっと知ってくれたのね?」とオバチャンの感慨は深かったのでした。