山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

コープス・ブライドに思う

長女、部活動最終日。
「楽しんでいらっしゃい」と長女を送り出す。この炎天下、毎日ご苦労じゃった。
一年生の夏休みから丸々二年間も部長を務めあげた長女。よく頑張った。

ワシの午後は、まるまる「レンタルDVD観賞会」にあてて、ソファでゴロゴロしながら「ティム・バートンのコープス・ブライド」なんか観る。

……なんか、コレ、全然面白くないんですけど…(汗)
あ、いや。ナンダロウ、切って捨てるにしては映画的な基準は十分に満たしているし。
作品のクォリティは申し分なく高いんだけどねえ…。

全然「心が籠もってない物語」なのね。
もう、激しくツマラン。チットモ心が動かされない。
「あー、はいはい。そうですか」
「ソウ来ますよね?ソウ来ると思ってましたよ。ふんふん」と散々に相づちを打った揚げ句、最後は思わず、

「お前の話は本当にツマラン!ツマランッ!!」って叫び出したくなるような物語だったんですわコレが。
予定調和で面白くもなんともない。
「なーんだ、キバはとおの昔に抜かれちゃっていたんだなあ、ティム・バートン」と寂しい気持ちにすらなりましたよ。
この人には永遠のストレンジャーとして、ハミダシモノとして、異形のものとして創作をずんずんずんと続けていって欲しかったなあ。
年をとっても結婚しても、子供ができてもなおの事、相変わらずこの世界に相いれられない自分というものを、キチンと冷静に見つめ続けて欲しかった。
こんな中途半端に自分と自分を取り巻く世界とのギャップに折り合いをつけて、ソレらしく振る舞っちゃうティム・バートンなんか観たくなかったよお。

…そんなワケで、「シミジミと残念だなあ。貴重の人材が居なくなってしまったなあ」とか思ってしまった訳です。
まあ、クリエイターにとっては子供を持つってのはものすごいギャンブルでありますしね。
子供をもったばかりに大抵の人はダメになっていく(あんまり大きな声じゃ言えない話ですがね)
多分、自分の中の初期衝動とか情熱が、子供を持った事ですっかり消えうせちゃうからなんでしょうね。
勿論、上手く「人の親になった事」を昇華できる人も居ますがね、稀にね。
つまり「自分のエゴ」というモノを上手く乗り越えて、飼いならして作品に活かせる人ですよ、それって。
あぁ、自分が何を言いたかったのか段々ボンヤリしてきました(苦笑)
因みに、この映画、主人公がサトエリに似ているのが一番イヤでした。