山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

脳内与太話なので本気にしてはイケませんよ

ワシものすごい考え違いをしていた。
つい最近図書館でビデオを借りて、「ハイジャック 台湾海峡緊急指令」(1988/中国)を見た(ずーっと昔から一度は観てみたかった作品なのだが、なかなか普通のレンタル店には置いてない珍作である)のだが、コレって「紅いコーリャン」(1987/中国)の翌年なのね。

しかも、「テラコッタ・ウォリア/秦俑」(1989/香港)の前年…。
「この辺りが臭いなあ。臭うぞ臭うぞ」
思わず安楽イスに腰かけてパイプをくゆらすワシ(リアルのワシはタバコは吸いません_念のため)

つまりチャン・イーモウという男、最初は撮影監督として出発し、次に俳優として登場。
監督デビュー作の「紅いコーリャン」(1987/中国)でいきなり金熊賞を取ったと思ったら、次には物凄い駄作の「ハイジャック 台湾海峡緊急指令」(1988/中国)を(平気で)撮ったりする…
「この極端さはなんだろう?」しばし考え込む。

「あ、そうか」
一つ、思いついた。
この「ハイジャック 台湾海峡緊急指令」(1988/中国)ってものすごーーーーい、「中国共産党へのゴマスリ映画」なのよ。
それこそ、台湾人がコレを見たら、確実気分悪くするねと断言できる程度の。
一応、ジャンルとしては「サスペンスアクション映画」というくくりに入っているようだが、ハッキリ言って、「サスペンスはありません」
因みに、「アクションもありません」
皆無です(断言)

チャン・イーモウの党へのゴマスリっぷりがあまりにもあざとくて、見てて最後は目まいがしてきました。
ワシはこの映画に「★=1」を献上しました。
久々に怒髪天になった映画です。

そして注意してよくよく見やれば監督デビュー作の「紅いコーリャン」も、実に良くできたプロパガンダ映画です。
中国映画は実はこの手の作品をよく作ります。
と、言うか、多分、中国映画の基本がコレなんでしょう。
(近年では「鬼が来た」が記憶に新しいですね)
「あ、なんだそういう事か!」
つまり「野心満々の男=チャン・イーモウ」は「党を利用した」んですよ。多分。
自分が撮りたい作品を撮る為に。自分が自由に映画を撮る環境を勝ち取る為に。
いやはや、中国人民のしぶとさには恐れ入ります。

しかし、そこにソレをおちょくるトリックスターが突如として現れます。
返還を目前に控えた映画の都、香港からです、