山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

獣医でキュウリを貰う女

フィラリアの投薬の季節である。
しかーし、我が家が注文したオーストラリア製の薬は税関で止められちゃったので、手もとにナイし(お金はとっくの昔に払っているのに!)「仕方ないねえ。ぶーぶー」と文句言いつつ、とりあえずボイスをフィフィに乗せて家を出る。

いつもの獣医さんに行くと、何故かドクター夫人が駐車場に仁王立ちになって、屋根に向かって何かブンブン投げている。
「何しているんですか?」(カラスでも追い払っているのか?)と聞くと、
「洗濯ばさみがイッパイ落ちているから、物干し台に投げて戻してるのよ、わははは」だって。
うーむ、この大ざっぱさ加減。他人とは思えない。

さてボイスは待合室に入ったらもう、圧倒的に及び腰。
「さ、このスキに逃げよう!」と自動ドア(右側のボタンを押さないと内側からは開かない仕組み)の方を一心不乱に見つめている。
瞳孔が開いて口も半開き。
舌が出ていて涎が垂れている(ボイスは滅多に涎を垂らさない犬<しかも垂らす涎はサラサラの透明汁)
「そんなに怖がらないでも」といつも思うのだがやはり、「タマを取られた恐怖の思い出」は消えないものらしい。

少し待っているとドクター入室。
「じゃ、体重計に乗って」と言われて柵つきの大型体重計にボイスを載せようと、体重計を差しながら、
「ボイス、ハウス!」と言うが、ボイス、ドクターが自分の目の前に立ちはだかったものだからモー大変。
半パニックになっちゃって、「いや、手に注射は持ってない?でもなんで立ちはだかるの??またタマ取るの??」とオタオタしている。

「コッチだってばー」とボイスを体重計に押し込む。するってえと、
「25.4キロ」
ボイスの人生最重量級(--;;シニア用の餌に替えたのが良くなかったらしい(消化吸収が良過ぎる)

受け付けを見ると、わが社がデザインした名刺を使っている様子(^-^)
フィラリアの薬を一月分だけ貰い、
「そう言えば、今度ウチの娘が職場実習でA先生(以前、このドクターの元で獣医修業をしていた若い先生)の病院にお世話になるんですよ」と言うと、
「ソコを開拓したのはアタシなのよー!」とドクター夫人叫ぶ(^^;

「ウチにばっかり中学生が4人も5人も来られてもやる事ないしねえ。だからA先生宅に『協力して登録してよ!』ってアタシが交渉したのよー」だそうだ。
そうだったんだ。アリガタヤ。
お世話になります。
お土産にキュウリを4キロほど貰う。