山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

友人に聞いた話

地震以降、初めて友人に会う。
実はこの友人、地震のあまりの恐ろしさにしばらく避難所暮らしをしていたのだが、そこでインフルエンザにかかってしまい、その後大きめの余震が来たので「もう、ダメー!」と実家に帰っていた。
電話したらやっと自宅に帰ってきたので、訪ねた次第。

地震後初めて彼女の家を訪ねてたまげてしまった。
「屋根にブルーシートがかかっている!?」
驚いて、「コレ、どーしたの?」と聞くと、
「屋根にヒビが入ったみたいだったからダンナがJAで配ってたシートを貰ってきて屋根にかけたの」と言う。
「でも、大丈夫みたい。あれから雨はさんざん降ったけど、沁みてないみたいだし」
あぁ、それならヨカッタ(^^;

で、彼女の家に入ってまたビックリ。
家の壁に二ヶ所ヒビが入っていた。
「こ、これは!?」と言うと、
「揺れの力がソコとソコにかかったみたいで、バッキリ行っちゃったのよ」と言う。
「た、大変だったのね」と言うと、
「家に居られなくてねえ、最初の日は一日中、車の中に居たよ」と言う。

庭にも地割れが入ってて、数ヶ所裂け目が出来ていた。
「でもね、下の家の人はもっと酷くて、裂け目に鉄の棒を差し込んでも底に届かないんだよ。しかもそれが台所のすぐ外に出来ているから、台所が傾いちゃってナナメっているのに、フツウに暮らしているんだよ」と彼女、言う。
・・・・それって、真剣に危なくない?

地震のその瞬間の彼女の話を聞く。
その日、彼女は友人の結婚式に招かれていて、式服を着る為に朝からお風呂を溜めていた(ありゃ、ココにも地震の朝、風呂に入ろうとしていた人が)
そこへあの地震
彼女はパジャマのままでテーブルについててテレビを見ていた。
彼女の夫と子供はリビングのソファに寄りかかってテレビを見ていた。
彼女は咄嗟に何が何やら訳が判らず、とりあえず壁に捕まって「おおお」と言っていた。
夫は子供をかばって床の上で覆いかぶさっていたが彼女の家のリビングには吹き抜けの壁二面が総ガラス張り。

「あぁ、ソコに居たら、真剣に危ないよ」と思いながらも彼女は「ボー」と見ているしかなかった。
彼女の家のリビングにはおばあさまが使っていたアンティークのアップライトピアノがあるのだが、ソレが揺れに伴って「ズ、ズ、ズ」と動いたらしい。