山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

実は和製サヴォア邸!?

朝、カームラ氏から電話。

知ってるヒトは知ってるが、ウチの設計者だ。でもって家族ぐるみの友達だ。
「ほぼ毎日会う」という生活を10年くらいしていたことがあるヒトだ。

「ねえ、今度『建築ジャーナ○』にボクが紹介されるんだけど、お宅を「代表作」として
紹介させて貰っていい?」と、カームラ氏。
「げ。掃除しなきゃ」
「いやいや、外観だけでいいのよ。工事中の現場写真ならあるんだけど使えないから、
改めて外観写真を撮ろうかなあって思うのよ」
「そうね。普通は竣工時にちゃんとカメラマンに頼んで撮るもんねえ」
(ウチはお金もナカッタのでこの儀式(?)をパスしたのだ)

「なんかさあ、取材に来た女性が写真見て、もの凄くお宅を気に入っちゃって、『サヴォア邸みたいですねえ!なんて美しい家なんでしょう!!』って言ってるんだよねえ」
「・・・げ。今ワシ、腰が抜けた」
「最高の賛辞だよねえ!コレって!!受けなきゃイカンよ。この取材」

注:サヴォア邸=モダニズム様式の「最初の建築物」ル・コルビジェ(20世紀最大の巨匠)作。
世界中がこの作品に影響され、20世紀中モダニズム・デザインを作り続けるコトになる「金字塔的名作」
四角くシンプルな外観。詩的で軽快なフォルム。アクロバチックな構造で有名。
「ピロテイ」というモノもこの作品でコルビジェが発明した。
確かにウチの設計にはサヴォア邸の影響が、見てとれる。
アクロバチックな構造とか、ピロテイとか。
でもミース(やっぱり20世紀の巨匠)の「ファンズワース邸」も元ネタだし、吉村順三(右に同じ)の「軽井沢の家」も元ネタだ。
元ネタならアッチコッチにあるぞー。

引っ越してきた当時は全然知らないヒトが突然、「家の中を見せてください」とか言って
どんどん訪ねてくるのでゲンナリした。
茶店と間違えてクルマが入ってきたり、知らないヒトがウッドデッキで休んでいたり。

生協さんに至っては「げ!こんなスゴイ山奥に、モノスゴイ家が建っている!!」と叫んだ・・・
「変な家」で悪かったな!!

以前某トヨタの取材を受けたときも、クルマのコトより家のことばっかり質問して行ったもんな。
ヤナセも「こんな家、初めて!!」といきなり言ったし・・・

変わった家に住んでると変わった経験もするものだ。
このサヴォア邸(爆)は洗濯物は干してあるし、布団も盛大に干してあるが
ソレでよければ取材もOKと答える。