山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

というわけで見てまいりました↓

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予告編はコチラ↓

お話は割とシンプルなんです。

国税庁に怒られて、納税の書類の書き直しをさせられているランドリーの女主人エヴリン。

夫は優しいけど全く頼りなく、父は車いすに乗りながら相変わらず口うるさく頑固で、娘は大学中退してタトゥーを入れてレズビアンになっている。

しかもランドリーも自転車操業でその日暮らしの貧乏生活。

「もー、こんな生活嫌っ」

なんですが、頑張って生きていくしか無い60女の地獄道

ところが、税務署で国税庁の職員に詰められている最中に、何故かエヴリンは掃除用具置き場に入ってしまい、そこで「僕は別の世界からやってきた君の夫だ」と夫が名乗ってくるので混乱してしまいます。

 

なんと別世界からやってきた夫は「この世界は、たったひとつに思えてても、実は人生で選んだ分岐によって膨大に枝分かれした世界が無数に並行して同時に存在する」と言うのです。

その膨大に枝分かれした世界を潰してなきものとしてくる恐ろしい女がいまして。

「そいつを倒せるのは君だけだ 戦って全宇宙を救え!」と別世界からやってきた夫に言われてしまうエヴリン。

「そんなこと無理!」と断ってももう遅い。

別世界に無数に存在する別のエヴリンの能力をインストールする機械を装着させられ、戦いの渦中へと飛び込んでいきます。

 

面白いのは「普段やらないようなこと(意味不明の奇行)をやればやるほど、自分が今いる世界からより遠くに存在しているエヴリンの能力がインストールできる」という設定でした。

今の、人生最底辺で泥の中を這いずり回っているような生活のエヴリンから、「あの時ああしてれば」の先に行ってたエヴリンは「盲目の美人歌手」だったり「カンフーの名手」だったり「映画スター」だったりするんですよ。

 

このミシェール・ヨーのコスプレ大会が一番の見所でしょうか。

映画女優世界線では、夫は別れてもまだ心を残した恋人であり、あの冴えない優しいだけの夫がマルチェロ・マストロヤンニみたいになって出てくるんですよw

 

人生の辛酸を嘗めた60女のワシにはもう「ミニオボエがありすぎる映画」でした。

人生で泥水すすっている皆さん、この映画見て元気出しましょう!(゚∀゚)

シワ取りもせず矯正下着も身に着けないで、ありのままでもとっても美しいミシェール・ヨーから勇気がもらえます。

 

そして映画を終わったあと、自分の顔を鏡で見て心底がっかり出来ますw(ミシェール・ヨーは元ミス・マレーシア)

ワシが一番感動したのは「生物が生まれなかった地球」という世界線に現れる無機物のエヴリンの姿でした。