レンタルで借りてきたので見ましたよ「ヘレディタリー/継承」(2018年 アリ・アスター監督)
映画「ミッドサマー」を見てきた弐号機ちゃんが「思いの外怖くなかった」と言ってたアリ・アスター監督の出世作であります。
「とにかく胸糞が悪い」と評判は耳にしてましたが。ふむ。
…なるほどね。
ちょいちょい演出に「ドニー・ダーコ」を思わせる表現があって、「なるほど」と思いつつ見てましたがw
コレは確かに胸糞が悪い。
「全部血のせい!」で終わる感じでもありましたが。
ほら、人間には自分ではどうしようもないものに「親は選べない」とか「出自」とか、あるじゃないですか。
そういう部分をえぐってくる映画であります。
ホラー映画なんですけどね、「自分が生まれてきたことが最大のホラー」とも言えるような内容でして。
それはホレ、この主人公の顔を見ても納得がいくでしょう?↓
※「なんで生まれてきたのよ!?もうこんな生活、イヤー!!」という吹き出しをつけたくなるトニ・コレットのこの表情(;^ω^)トニ・コレット、「ベルベット・ゴールドマイン」でボウイの元妻ゾウイアンジーを元にしたような人物を好演してて好きな女優さんだ
先日、録画してた「しゃべくり007」を見てたらですね、若いタレントさんの「みちょぱ」と「その母」が出てたんですよ。
そこで交わされたトークの中に「みちょぱが15歳の時、家に泊まりに来てた彼氏が目の前で逮捕されて少年院送致になった」というものがあり、「どんだけ不良だったんだ」と笑ってみてたら、その「みちょぱの母」がですね、彼氏が逮捕されて泣き崩れるみちょぱに向かって、こう言い放ったのだそうです↓
「あたしもね、15の時に付き合ってた男が少年院送りになったの、だから大丈夫よ」
ヒーΣ(゚∀゚ノ)ノ血は争えないというかなんというかw
「15で彼氏は少年院送り」それがみちょぱ家の「ヘレディタリー/継承」なんですよ。
つまり、これはそういう映画なんです。
狂気の母と狂気の末自殺した父、その両親から生まれた主人公アニーはミニチュア人形作家なんですが。
彼女はこの両親から何を受け継いだのか?子どもたちに何を受け継がせてしまうのか??がテーマの映画であります。
アメリカの田舎の素晴らしく美しい風景(ロッキー山脈?)を従えて陰惨な話が展開します。
世の中には狂気の母から生まれた人なんていっぱいいるんですけどねwそれでもみんな、一生懸命に生きて、自分の人生を頑張ってエンジョイしている。
そんな人達にとってはこの映画は「呪い」でしかないんですけど。
確かに「ホラー」という切り口なら、なんかしら身に覚えのある状態、「ローズマリーの赤ちゃん」でもあったような集団の存在。そんなものが引き金としてちゃんと作用するので、「ありかな」とも思いました。