山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「アポカリプト」

GyaOにて不思議な映画を見ました。それがコレ↓

「アポカリプト」(メル・ギブソン監督 2006年アメリカ)

お話は「スペイン人が侵攻してくる直前のユカタン半島 マヤ族同士の戦いと逃亡」の物語です。
話の内容は全編マヤ語でして、最初は「え??これは何の話??」と目を白黒させていたら、R-15とは言え、配給会社は「タッチストーンピクチャーズ」だし(ウォルト・ディズニー系列映画会社 辺境の物語を描いてもなんだか白人化された価値観に貫かれているのがいつもの流儀の会社)
なんだか出演している俳優たちが、無名とは言え、メキシコ人のスーパー美形の男女揃いで、部族の入れ墨や文様もやたらとかっこよく描かれます。

「ふーん、もうすぐマヤ族はスペイン人に滅ぼされるって頃の話か 白人とマヤ族の戦いの話なのかな?」と思って見始めたらなんと!
マヤ族同士が延々と殺し合う話でしたw
その残酷シーンが問題になってR-15だったみたいですね。

この映画で、マヤの遺跡に見られるピラミッドの「正しい使い方」がわかりました(;^ω^)(頂上で体を青く塗った生贄を生きながらに心臓をくり抜いて断首し、死体を頂上から蹴落とす)
割と簡単に人を大量に殺すので、「マヤ文明が滅亡した理由の一つに生贄が多かったってのがあったような」と思いだしたりしながら見ておりました。

お話の筋としては、主人公の村が襲われて生贄要員として連れ去られ、そこから家族のために生きて帰ろうとする物語です。
物語のあちこちに見え隠れする「マッド・マックス 怒りのデス・ロード」の敵役「イモータン・ジョー」さま↓の面影。


※V8!V8!V8!

「行って戻ってくる」って話の構造といい、敵対する部族の人の造形といい、ものすごい既視感があって。
「もしかしてジョージ・ミラーはこの映画を下敷きにしたのか?」と思い至りました(そう言えばもともとマッド・マックスシリーズの主人公はメル・ギブソンだった)

でもまあ…ワシよく思うんですけど。
時代劇_特に大河ドラマとかで戦国時代の武将やその家族が「もう戦はいやにございますー」とか言うシーンに違和感があって(;^ω^)
「戦国時代の人はそんな事、言わんやろ」程度には思うんですね。
モラルや価値観が違うんだから、今のモラルや価値観で自分とはかけ離れた立場の人のドラマを作っても嘘くさくなるだけだなあと、よく思います(その分、平野耕太の「ドリフターズ」とかはうまくやっている)