山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

北部九州と日露戦争

あ。そうそう、「いだてん」第二回の事。もう少し。
「胃弱の父に連れられて、幼い四三の身体が丈夫になるように嘉納治五郎先生に抱っこしてもらうために熊本市に向かう」というのがエピソードのひとつなんですが。
人が多くて嘉納治五郎先生に近寄ることも出来ずに、柔道の練習中?の嘉納治五郎先生を見ようと頑張ってたら、背後から「見たいか坊主?」と抱き上げてくれたのがたまさかの胃弱の夏目漱石で。
胃弱の父の運命から逃れるために熊本に来たのに、ここまで来て、たまさか胃弱の漱石に抱っこされるというこのエピソードがw_身体が弱いのは遺伝のみならずこれはもう運命なのかも??と、悲しくもおかしいシーンでした。

そして泣きべそかきながら小学校までのランニング登校が辛くて家に戻っちゃったりする少年四三(この子役の子がめちゃめちゃ自然で可愛い)ですが。
そのうちに親族の出産時の独特の呼吸に気がついて、それを参考に走る時の呼吸法を編み出し。
「スッスッ、ハッハー(二度吸って二度吐く)」を実践してみたら、「あ、辛くない」と気がついて、それからは元気いっぱいにトンネルを走り抜けるんですね。

この「トンネルを走り抜ける」というのは朝の連続ドラマ「あまちゃん」でも何度も描かれたシーンでして。
主人公の親友が、とびきりの美少女なのに、何故かこの僻地から抜けられないという運命にとらわれてて、ついぞトンネルの向こう側に行くことが出来なかった_を思い出させます(そのエピソードは「あまちゃん」のオンエア終了後、紅白歌合戦の余興ドラマとして回収される事になった)

クドカン作品において「トンネルを抜ける」=新しい外の世界に向かう_を象徴するシーンなんですね。

あと、「坂の上の雲」でも描かれてた、帝国海軍がロシアのバルチック艦隊を打ち破った日本海海戦対馬沖)は、九州の沿岸でもその音が聞こえてたというエピソード。
(「坂の上の雲」では宗像(福岡県)の漁師の父子が、両軍が撃ち合う大砲の音を聞くという場面があった記憶)
この海戦の音が、玉名(熊本)でも聞こえてたんですね。
驚きました。

そう言えば、日本海海戦でのロシア側の傷病兵は、佐賀県嬉野温泉にあった病院に収容されてたんですよね。
佐世保海上自衛隊資料館(セイルタワー)の展示物で見たことがあります。
実は北部九州と日露戦争は地理的に「近い」んですね、思ってたよりずっと。