山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

異形なこの一曲「ニンゲンドモ」

アルバム「REBROADCAST」のレビューを書こうと思ってたのですが。
やはり、この曲を無視するわけに行かず。
とりあえず、先発先遣隊としてこの曲のレビューを先に書くことにしますね。

実は未だになんでこの曲が新譜を象徴するリード曲として扱われているのかがよくわからなくて(・_・;)
まー、なので本日のこのブログ、人によっては「悪口」にも読めるものになるかもしれません。
だから読みたくない人は、ブラウザを閉じるなら今のうちだよ!w
ワシは自分で冷静になって考えてこの曲のことをじっくりと考えるために今日、このブログを書きます。始まり始まりー。

まず、この「ニンゲンドモ」という曲、タイトルが発表されたときにギョッとしましたよね。
PVが一部公開されたときも、やはりギョッとしましたね。覚悟してたとは言え。

the pillows "ニンゲンドモ" MV (short ver.)


「ニンゲンドモ」と言えば、みんな大好き!「Smile」の「クタバレニンゲンドモ!!」と言う罵倒の場面ですよね(゚∀゚)アヒャ
「Smile」ではその声の出処は「宇宙の声」なんですけど。
この曲の最後の方では「生まれてきた日の歌を もう一度、世界を揺らすような大きな声で聞かせてくれくれよ」と歌い上げられて、コレがなかなか気持ちがいいんですね。
混沌のち、昇華(人´∀`).☆.。.:*・°パアアアアアアみたいなw

ところがどうしたことかこの「ニンゲンドモ」ではソレがないんですね。
そしていろいろ文句をつけている対象と引き換えに自分はどうか?と言うことがはっきりとは語られないために非常にモヤモヤします。

「そんなにタクシーの運ちゃんとかコリアンヒップスターとかタイ人のコンビニ店員に対していろいろ不満に思うところがあって『ニンゲンを失っていく』て言っているけど、『自分』はどうなんよ?」と思ってしまうんですね。
一応「僕ら」がニンゲンからはみ出していっている、人間性というものを自分から手放していっている_みたいに歌われてますが、「どうしろっていうんだ?」とその直後に一方的に突き放されるので、「こっちこそ知らんわい!!」て気分になってしまうんですねw

そして繰り返される「Are you singing now?」というフレーズ。
これは「未だにちゃんと魂の歌を口ずさんでいるか?」て意味だと思うのですが(そしてメジャーデビュー曲である「雨に唄えば」の面影も匂います)
それは聞き手と歌い手の両方に投げかけられる問に聞こえます。

確かにそう考えるとほのかに「愛情」すら感じる歌なのですが、いかんせん、歌っているスタイルが完全に怒っている感じなんで「ヒェッ!?」と引いてしまうんですよね。
そしてタクシーの運ちゃんに「その顔で子供を育てているのか?」と挑戦的な物言いをして(それも子供を育てたことのないさわおが!)、その直後には「そのプライド、粉々にしてやるぜ」といきなりヤンキーのイキリをぶちかますので「どひゃあ」と引いてしまうんですな。

そしてPV見るとギターが三本もあるし、ヌードルスのyokoさんが歌っているし。
この怒って歌っている様子と、yokoさんの参加とで非常にモヤモヤしちゃうんですね。
「…それは、カサブランカでやるのではいけなかったんですか?」とね。
まるでヌードルスピロウズに吸収合併されるかのような(それは7月のアメリカツアーでヌードルスのドラムもシンちゃんが叩いてたせいもある)微妙な気分になります(ヌードルスもギターが抜けてドラムが抜けていろいろあるんだろうねえとは思いますが)

この歌詞のヤンキーイキリと女声コーラスのせいで、まるで人生の苦労もなしに(そんなことは絶対にないんだけど)うかうかと年をとってしまって、でもその世界で自分のやりたいこと好きなことで生計を立てることに成功した人が、泥にまみれて社会の底辺で生きる人を軽んじている?バカにしている??ようにも聞こえるんですよ。聞きようによっては!
ワシがそう思っているってわけじゃないです。「こうも感じる人もいるだろう」って話です。

「だからなんかモヤモヤするんだろうなあ」と思い至るわけですよ。
曲はもちろんいいし、ギターもいい(エモい!)
良くないのは、ふてくされた歌い方と誤解を招きやすい歌詞となんだか似合わない女声コーラスのせいなんじゃないかなと思うんだるぉ〜〜〜う♪(おもうんだるおおおおお〜〜〜♪)