山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

WOWOW映画地獄変 まだ途中

という訳で。
今度はスコセッシ版の「沈黙」を見始めました。

「沈黙-サイレンス-」マーチン・スコセッシ監督 2016年アメリカ)

変なホラー演出もないし、なによりも宇宙の音がしてこないwすごくちゃんとした映画で、見てて心が洗われます。
なおかつ、格調高く、美しい映画になっております。
「映画の中心に日本語もしゃべれない、英語での演技もできない変な若い男がいる、てかいやがる!!」という状態がどれほど異常事態(篠田正浩版の話だよ)だったのかがわかりますね、コレを見ていると。
しかもこのスコセッシ版だと、その後の背教宣教師たちの奇妙な生涯がちゃんと描かれるので、物語全体がよく理解できるようになってます。
篠田版みたいにいきなり白人男性のイキ顔で唐突に終わったりしません。それだけでもこの映画には価値があります(もう篠田版を見た後だと、自分の中のハードルが下がりまくってますな ちゃんとした俳優が画面に出てくるだけで大層ありがたく感じますw)

あと、日本側の俳優もいい俳優がたくさん出てて、「日本にはいい俳優がたくさんいるなあ!」と改めて気が付きます。
全然期待してなかったけど、すごくいい映画でしたよ。
もしかしたら篠田正浩版を先に見たせいかも知れませんが。

ラストシーンも余韻を残す素晴らしい終わり方です。
深い愛すら感じます。

※思いなおしたけど、やっぱりこの映画の価値を感じるためにはすっとこどっこいな1971年篠田正浩監督の「沈黙」と合わせて見たほうがいいかもですね(´・ω・`)
「世の中にはこんなひどい映画も有る」という厳然たる事実を知るためにも。