山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「しびれくらげ」「あん」「ガッチャマン」

と言うわけで昨日はおやすみだったので、GyaO!で「しびれくらげ」見てましたの。
最初に見たのは大学生の頃、深夜テレビにて。だったのですが、強烈な印象で(特に渥美マリの棒演技)
しばらくはモノマネして遊んでたほどだったのですが。

年を経て、改めて見るとなんとまあ「爽やかストーリー」だったことか。
家庭内暴力、海外の偉いさんに貢物として捧げられちゃう若く美しいモデル。ストリップ小屋の楽屋番の父(玉川良一!)
陰惨な物語なのに、そこで繰り広げられる物語はなんとも爽やかなんですな。そこにびっくりしました。

自分に条件付きの愛しか与えてくれないエリートビジネスマンの恋人、前科者で暗い影を背負いながら自分に愛を捧げてくれるやくざもの、自分に寄生することしか考えないクズ人間の父。
自分の本心を大声で吐露しながら、人間らしく生きようとする人たち。
昔からあるお涙頂戴?じっとりしたかわいそうでしょ?物語とは一線を画しておりました(さすがはマエストロ増村)



そしてこの映画こそ、増村保造監督の後の名作「遊び」に通じる、元ネタとでも言うべき「主題が最初に誕生した」映画だと気がついたのでした。
後々、このテーマ(まっすぐな愛情を持つ美しい女と真心を持つやくざな男の恋物語)は「遊び」へと受け継がれ、更には「曽根崎心中」へといたるのですから、「テーマの発見」って偉大なんだなあと改めて思ったのでした。

「あん」は面白い映画だし、いい映画だったんだけど、時代設定を昭和30年代にしとけばもっと良かった予感…
いい映画なんだけど、脇が甘いというか…
餡こが主人公の映画だけにソースイートよ?←

見て10分でギブアップしたのが「ガッチャマン」でした。
なんであんな変な改悪にしちゃったんだろう…
剛力彩芽も変なバトルスーツ着せられて可愛そうでした(松坂桃李くんはもとより)

「これじゃあキャシャーンがデザインは原作に忠実って部分だけでマシて事になっちゃうじゃないか」と目を白黒させたのでありました。