山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

また悩んじゃうワシ

映画を見ているとたまーに生理的に我慢ならない映画に出くわす事があります。
アニメの「時をかける少女なんとか」とか「チルソクの夏なんとか」とか…
世間と自分の評価が違いすぎてそれがさらに気持ち悪さに加速しちゃうんですけどね(つまり、「世間の人はこれが素敵!って思えるんだ…コワイ」という事)

君の名は。」も「時かけ」とか「チルソク」ほどの嫌悪感はなかったですが、同じカテゴリーの映画でしたね。

・まず、なんで二人が恋に落ちたのか全然理解できない。お互いの肉体を「容れ物」として共有してた体験は確かに唯一無二だろうけど、それで恋に落ちるかどうか…自分だったら双子の兄弟みたいな気がしてソレと接吻とか性交とか生理的に無理な気がする(よほど自分が好きすぎて「自分と結婚したい!」「自分と性交したい!!」と思っている人には願ったりかなったりのシチュエーションなんだろうけど)

・「その他」の登場人物が「立て看板」みたいで魅力がない。
「同級生」という記号の看板。なんか無駄にじゃれたり「お前、喧嘩っ早いからさー」と主人公のキャラ説明をするためだけに差し出される看板(一旦停止!みたいな記号)
※その証拠に主人公が喧嘩っ早いと言われる根拠となる行動は劇中では全く示唆されない(ほっぺの傷だけだが、それもどういう経緯だったのか全く説明されない ので更に不気味、ある日突然、理由もなく暴力的になって暴れるのか?と想像させる そんな男いくらイケメンでも絶対に嫌だ)

・普通、映画とか物語というのは、「彗星衝突」という危機に対して、イカに回避するか?という部分に一番力を入れると思うんだけど…
何故か主人公が「危ないの!」と主張すると、同級生はすぐに信じてくれる(不思議 多分「主人公補正」なんだろうけど)
普通は…友達がそんな事言ったら「大丈夫?」と怯えてしまうと思う。
本来、どうやって地域住民を守ったのか?という部分が一番の物語のキモになるはずなのに、後に新聞記事でさらっと流されるだけなので膝カックンしまくる。

※ここでワシは考えるのです。「これは本当は、もしかしたら数十回ワルプルギスの夜を繰り返した後でのハッピーエンドの世界線なのではないか?」と。
地鳴りとともに村が破壊され、すべてがなぎ倒されて人命が失われる瞬間。それを数十回繰り返してようやく、このエンドに至ったのではないか?とそんな事を考えちゃいますね。
本当は新海誠の力不足なだけなんでしょうけど。

・なんたって巫女が作る「口噛み酒」がキモイ。
昔TVの残酷ドキュメンタリーで南洋の土人(!!)がこさえてた系のアレですよ。
「ソコに目をつけるとは新海誠、本物の変態…」との思いを新たにしました。
人前でいくら口元を隠しながらとは言え、口噛み酒なんか作る現場(カミカミゲロゲロ)を観光客相手に見せるかよ。
そんなん百歩譲って「秘密の儀式」でやってほしい。

参考に→少女が59日間祈りを…阿蘇の火焚き神事
今でこそ学校に通いながらもこの神事は行えるが、昔は本当に籠もりっきりで火のお世話をおおせつかっていたらしい。

・劇中、チンピラがスカートを切る場面があるけど、誰も彼も気が付かなすぎ。満員電車の中じゃあるまいし。
そしてそこに主人公が処置する行動が信じられない…あんなことしたら普通にドンビキする。好きになるきっかけには絶対にならない。

・「彗星衝突&死者多数」という大きな事件があったら強い印象に残っているはずなのに、主人公、あまりにもぼんやりとしか覚えてない。そこが不思議。
そんだけの災害だったら日本が歪むくらいの衝撃もあったはずなのに(もしかしたら当時、電話もないような無人島に住んでいたとか?とまで思ってしまったぞ)

・解決方法が「変電所の爆破」なのも正直ドンビキ。
「お前らは過激派かよ!!」みたいな。
そして、なんか神社に狙いすまして彗星が落ちてくるのも気に入らない。
日本の歴史上、何故か神社は無事でした。先人の知恵ですね」的な落ちにならないといかんやろソコは。
なんぞ神社に恨みでもあるんかい新海誠は。

なんかもう全部に新海誠の「都合」と「性癖」がにじみ出てて(社会的な常識のスキルの低さも歴史的な事柄への認識の低さも)あまりの気持ち悪さに、「なんでこの映画がそんなにヒットしたんだろう?」と首をひねるばかりな映画でした。
確かに画面はゴージャスだけど、脚本がひどすぎる。
こんな程度じゃ「ドニー・ダーコ」のフォロワーの中に入れたくない気分もするw

同時にレンタルが始まったAVの「君の縄。」が「君の名は。」のパロディとしてもよく出来ているらしいので、「コッチも見てみたいな」と思ってしまいました↓

君の縄。が出るよ〜!
※エロ表現の一つとして「口噛み酒」もちゃんと登場するらしい。そりゃあそうだよねそういう使いドコロだもんこの行為はw