山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

猫の死

三軒隣の奥さんがやって来て、「お宅の黒猫がずーっと動かないでうちの裏庭に居るんだけど、死んでいるみたいで」とおっしゃるので慌てて回収に行く。
甚五郎ちゃんが、三軒隣のお宅の裏庭で横になったまま死んでおりました。

まるで寝ているようで身体も柔らかで。毛艶も良くて。
普通に人間にもたれかかって甘えてくる時のようにぐにゃんぐにゃんに脱力しておりました。
「クルの時は炎天下だったせいもあって死後硬直が早く来てたけど、涼しいせいかな」
と思いつつ、古いバスタオルに甚五郎ちゃんをくるんで、その家の奥さんに「ご迷惑をおかけしました」と言って家に帰りました。

甚五郎ちゃん、飢えて死にかけているところを散歩中のボイスに拾われて。
最初の頃は人間を見ると本気で威嚇してきて手がつけられないので、ケージの中で飼っておりましたなあ。
なかなか心をひらいてくれなくて。
それでも飼い猫になれたのは、クルのおかげでした。

クルが「俺んちによく来たな。まあ、餌でも食べろや」みたいな感じで世話をしてくれて。
甚五郎ちゃんも心からクルちゃんを頼っておりました。

以来、長い期間家出してた事もあったり。山で暮らしてた時期もあったり。
色々問題のある猫でしたが、ここ5年ほどはなんとか飼い猫らしくなってきて(飼い始めて10年以上経ってようやく!)家で和めるようになってきたのに。
異様なまでの怖がりのくせに、たまに人間に甘える時は全身で甘えて来て、可愛いやつでしたなあ…

一昨日、「エサ頂戴」と甘えてきたのが、最後だったのか。
寂しいなあ甚五郎ちゃん、こんなに急にお別れがやって来てしまうなんてねえ。
バイバイ。天国でクルちゃんが待っているよ。安心してね。


※今年の夏、ウッドデッキにおいてある灯油缶入れの上で涼んでいる甚五郎ちゃん。
ラグドールみたいにぐにゃぐにゃしててもふもふの可愛いやつ