山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「戦火の馬」

お休みの日はどんどん映画を消化するよー。お題は「戦火の馬」(2011年 スティーブン・スピルバーグ監督)だよー(^O^)/

なんとなく物語は知っておりました。
イギリスの貧しい小作農の息子が自分の愛馬を戦争に取られて、色々苦労しながら再びまた相まみえるまでのお話。確か、舞台化されててすごく人気のあった作品で、それの映画化なんですよね。
もともとはヤングアダルト向けの小説。

イギリスの「馬と少年少女の物語」と言えば「黒馬物語」から「駆けぬけて、テッサ!」まで。
しかも大人向けにはディック・フランシスのサスペンス&冒険小説の名作群もあったりして。
まあ、イギリスのお家芸ですわね。

「それをアメリカ人のスティーブン・スピルバーグがどう映画化するって??」
と見始めたのですが。

ははあ。
俳優陣はオールヨーロッパキャストで固めて、イギリスやヨーロッパでロケを敢行。
本物志向の映画になっております。

お話は児童文学が元ですので、そんなに複雑な話じゃございません。
でもコレぐらいのシンプルな話のほうがスティーブン・スピルバーグに向いている気がします。

「人間の奥行きがー」とか「感情のゆらぎがー」とか「人生の深淵がー」とか(どうせ)スティーブン・スピルバーグには描けないんだから、これくらいのさじ加減で人間をちゃっちゃと描いたほうが良いですね。

まあ、馬さんが演技頑張ってます。
ソレ以外は…●●兵兄弟はすぐに●●されちゃうし、ジャム工房の娘エミリーもどういう●●だったんか判然としないし。
「人様の人生や気持ちなんか計り知れないんだから深入りしないよっ」というスティーブン・スピルバーグのある種の潔さが、イイように作用している気がします。
いや、確かに「普通の映画作品」として見れば、明らかにその辺りの切り込み具合が物足りなくてがっかりするのですが。

でもね、第一次世界大戦でのヨーロッパ戦線での塹壕戦の様子とか、もう緻密に丁寧に嬉々として描いてますよw
「ひゃー、人が死ぬー」ドカーン
「ああ、泥水にまみれて若者たちが死んでゆくー」ズバーン
「イギリス兵もドイツ兵も、みんな死ぬーー」ギャー

みたいな感じで、例によって「人が死ぬシーンをイキイキとしたタッチで描き続ける(不必要に長い)」ので、ちょっとげんなり&しんどくはなりますがね…
まあ、スティーブン・スピルバーグが一番撮りたかったのはこの部分なんだろうなって事で(ーー;
「感動したかったら人が死ぬシーンもイッパイ見とけよ!」と説教されているような気もしてきますが。

まあ、映画はやがて終わりますので安心です←

アルビーが家に帰って家族が揃って、全ては終わったこととして物語は終わるのですが。
いかんせん、「命の軽さ」をそれまで2時間以上かけてコレデモカコレデモカと見せつけられるので、最後の方は、「もう生きてようが死んでようがどっちゃだってええがな」な気分になるのが残念な映画でした…

人の気持ちがわからないのに人の気持ちを描こうとするのにはやはり無理があるのかもしれませんね(´・ω・`)


うぇーん、お友達も世話してくれる人もいなくなっちゃったよー
どうしたらいいのー
※このシーンが一番泣けますね