山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

風にそよぐ草

いえっす、まだまだ続くわよ映画消化地獄!
お次は大問題作、「風にそよぐ草」(2009年 アラン・レネ監督)

ワシはね…この作品はロマンチックコメディだと聞いて、録画して見たのよ…
なのに、ナニコレ…
すごく怖い話でほぼホラーですよ。

ご紹介しますと、あらすじはこんな感じです↓

(中年女歯科医の)マルグリットは買い物の帰りに引ったくりに遭い、財布ごとバッグを奪われる。
バッグはそのまま行方知れずとなるが、金の抜かれた財布が落ちているのを初老の男(※ジョルジュ自称50歳 しかしどう見ても70歳)が見つける。

ジョルジュは財布に入っていた自家用機操縦免許証に貼られたマルグリットの写真を見て、彼女に惹かれる。
直接電話をして彼女に財布を返そうとしたものの、いろいろと思いあぐねているうちに、結局、財布は警察に届けることにする。

財布は無事にマルグリットの元に戻り、彼女からお礼の電話を受けたジョルジュだったが、彼女のお礼だけのそっけない態度に失望して無礼な態度を取ってしまう。
しかし、すぐに反省して謝罪の手紙を書き、彼女の家にわざわざ赴いて直接ポストに入れる。
その手紙に対して「気にしていない」との返事が来たので、また手紙を書くが、今度は返事が来ない。
そこで、その後は毎晩マルグリットの家の留守電に「話がしたい」と吹き込むようになる。

ある晩、たまたま電話に出たマルグリットから「電話しないで欲しい」と言われたジョルジュは、翌朝、マルグリットの車のタイヤを切り裂き、わざわざ自分がやったことを告げるメモを残す。
この事態にマルグリットは警察に相談するが、ジョルジュを告発するつもりはなく、警察から注意して欲しいだけだった。

マルグリットの依頼通り、ジョルジュのもとに2人の警官がやって来て、ジョルジュを優しく諌める。警官の言葉に従うと素直に答えるジュルジュだったが、警官らがマルグリットから全てを聞いたと知り、ジョルジュは深く傷つく。

ジョルジュからの連絡は来なくなったが、マルグリットはジョルジュを傷つけてしまったのではないかと思い悩む。そして、ある夜、ジョルジュの家に電話し、彼の妻スザンヌから居場所を聞き出すと、自ら会いに行く。
はじめて直接会って話をした2人の距離は近づいて行くが、ジョルジュとはスザンヌを含めて友人関係を築きたいとするマルグリットにジョルジュは幻滅して去って行く。

すると今度は逆にマルグリットがジョルジュのことで頭がいっぱいになってしまう。仕事にも身が入らなくなった彼女は、ある日、ジョルジュとスザンヌを自分が操縦する飛行機に乗せたいと2人を飛行場に招待する。
そして、飛行場で偶然2人切りになったジョルジュとマルグリットは熱いキスを交わし、2人の恋は本格的に始まったかのように思えたが、その後、マルグリットが操縦する飛行機に乗ったジョルジュが、マルグリットに勧められるまま操縦桿を握ったことで、ジョルジュ、マルグリット、そしてスザンヌの3人が乗った飛行機は墜落する。

ウィキペディアより


すごく不思議な話で。
自称50歳の爺さんが昔、性犯罪を犯した?らしく、若い娘を怒りと欲情を持って「バツを与えてやろうか」と見つめるシーンとかすごくコワイんですね。
免許証写真で一方的に中年女性に懸想して、つきまとうのも恐ろしい。
(若い娘さんには「オマエは下品だから、肉体的に傷めつけてバツを与えてやりたい」と思うが、年増の歯科医には「自分より若い」から好きになっちゃうというその心の動きが恐ろしい)
つきまとった挙句、彼女の愛車のタイヤを4つとも切り裂いてしまうのも恐ろしい。
奥さんがいるのに堂々と年増の歯科医に対する好きという気持ちを微塵も隠さないのも恐ろしい。
フランス人の婚外恋愛、すごすぎますw

「ひええええええ、コワイ、コワイよーー」と言いつつ見てたのですが。

そうだったワシ、アラン・レネ作品でちゃんと見たのって「夜と霧」しかないんでした(´Å`)
アレも見ながら「ぎゃー」「こわい!こわいよおおおおお」と言いつつ見た映画でした。

つまり、アラン・レネは一級品のホラー監督なのかも…

ま。冗談はさておいて。
この映画どこがロマンチックコメディやねん!
ロマンチックもコメディ要素もどこにも見当たらなかったのが一番の腹タチポイントでしたね(ーー;

※確かに魅力的な赤毛ではあるけれど、そこまで好きになる理由がよくわからない…


※妻のほうが純粋にキレイでイイオンナな印象


※アンタのどこが50歳やねーん!ワシより5つも年下やないかーーい

おそらくは大空へのあこがれがもともとあって、自由に空を飛び回る奔放そうな赤毛女性に恋をした_という事なんでしょうが…
ごめん、「歪んだ肉欲」しか感じられなかった…

そしてラストは心中にしか見えないし、作品の締めである唐突に出てきた女の子が「キャットフードを食べるには猫にならなきゃいけない」という会話もよく理解できません…

まあ、なんでしょうねえ。
有り体に言えば、「ボケた老人が妄想する恋愛」て感じで、一般人には理解不能。ひたすらホラーな映画でしたよ…
巨匠も86歳になれば、しっぽが二股に分かれて本質がむき出しになる。
それは傍目からは狂気にしか見えないって事なのかもですね…(^_^;)