山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

グランド・ブダペスト・ホテル

ど、ど、ど、ど、どうしましょう。
こんなにおもしろい映画だったなんてーーー
自分の不覚を恥じます…
「グランド・ブダペスト・ホテル」
しかも「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」の監督と知って、「あ…(お察し)」とか思ったワシを誰か叱って下さい。

これは、1930年代、1960年代、1980年代をそれぞれ舞台にしたスイスの温泉地に立つ瀟洒な名門ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」で働くコンシェルジュとそのコンシェルジュから面白い話を聞かされる作家の物語です。
世代を超えて受け継がれる物語。
驚くべき冒険の物語ですよ。

豪華な革張り金箔押しの装丁のフルカラーのバンド・デシネを見ている気分で十分楽しみました。
「世代を超えて受け継がれる物語の映画」となると、ワシが大好きなミルチョ・マンチェフスキーの「ダスト」がありますが。
あれは「実録的」な映画でしたが(でもなんとも神話的でもある)
この「グランド・ブダペスト・ホテル」はw
コメディでなんとも「ピンク・パンサー」的なんですよw

思わず何度も声を上げて大笑いしてしまいました。
なんとも国籍不明で、でも洒落のめしてて。
気の利いた笑いが散りばめられてて、豪華なセットに衣装、素敵にキャラ立ちした登場人物たち。

「ん?コレはウィリアム・デフォーじゃない?」
と気がついて調べたら、この映画物凄い豪華キャストなんですね(今更)
しかも本年度アカデミー賞最多ノミネートとか。

コメディがアカデミー賞を取るのは珍しい事(だと感じる)ので、是非とも取ってほしいなあ!

ウェス・アンダーソンいつのまにこんな才能が…<遅い
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」ではポロシャツのワンピースしか覚えてないぞ。

これは…彼は次世代のブレイク・エドワーズになるのかもしれませんね。
ブレイク・エドワーズ、コメディから恋愛もの、社会派までこなした名手ですよ(ワシ大好き)

個人的に大笑いしたのは劇中で大きな鍵を握る伝説の名画が盗まれて、代わりにエゴン・シーレの「あぶな絵」(レズのベッドシーン)に入れ替わっているのになかなか登場人物が気がつかないシーンでしたw


もはや俳優たちは仮装大会
どれが誰だか当ててみてね