山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ゾンビ・ランド

世の中には「90分位の上映時間でめちゃめちゃに面白い映画」というものが存在します。
ちょっと時間が空いた時とかにサクッと見て、
「あ〜面白かったw」とスッキリサッパリしちゃって、「どーれ、頑張るか」という気分になる映画です。

この「ゾンビ・ランド」もまさにそんな映画です。

ゾンビ映画というのは不思議と、文明批評とか資本主義批評みたいになる芸風の映画でありまして。
それは始祖ロメロの芸風に起因するわけですが。

それはもちろん、ロメロの個人的な生い立ちとか嗜好に添っているわけでして。
それでも、その意志を受け継ぐように世界中で作られるゾンビ映画が何故か国境も時代も超えて、同じテーマで描かれる_というのはとても興味深いな。と思いつつ、ゾンビ映画が好きなんですねワシ(コワイけど)

ところが21世紀になって。
ちょっと芸風が変わってきたんですね。
その分水嶺となったのが、「ショーン・オブ・ザ・デッド」だという気がします。

これはなんと「ゾンビとの共生」がテーマ?のコメディ映画でして。
「灰色の顔色をした半分死人みたいなイギリス人がゾンビになっちゃう」という文明批評的な側面もまだ残ってましたね(そうなのか??)

んで、この「ゾンビ・ランド」

「謎の病原菌がパンデミックして、アメリカ合衆国がゾンビ・ランドになっちゃった!☆」
という内容でして。
このゾンビが足が速い(足が速いゾンビは認めたくないロメロ原理主義者には「ウムムム」な感じ)

しかも文明批評は微塵もなくてw消え去っててw
ただゾンビと闘いながらLA目指して車で移動するロードムービーでもあります。
途中で逞しいおっさんと出会ってバディものになり。
美人詐欺師姉妹と知り合って恋に落ちたり。



つまり週末に、高校生が集まってワイワイ言いながら見に行く映画として最高なんですな。
とても良く出来たエンタテインメント。
監督の腕の良さが光る小品であります。
今度、他の作品も探してみてみますかね(´ω`)


とても血色が良い、元気いっぱいのゾンビの皆さん