山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

レンタル物件三題

お仕事がちょっとまとまってお休みだったのでレンタルで色々借りてきて見ました。
(けど実質まる二日間、夏風邪を盛大にひいてしまって発熱までして寝込んでいたのですがw)
そのお話でも本日は書いておきます(備忘録)

「桐島、部活やめるってよ」
なんかホラー映画めいて見えてくる青春映画でした。
行き場のない閉塞感だらけの青春。
リア充は校内でディープ・キスしまくりの(多分、この先もやってんだろう!?)
非モテ映画マニアどもはゾンビ映画を撮影中。
映研の顧問は「君よ憤怒の河を渉れ」みたいなタイトルの脚本を書いてご満悦。
挙句、「君たちにとってもっと身近な題材をだね…友情とか恋愛とかあるだろう?」って…ねーよ!コロスぞゴルァ!!
な…実際ワシも言われたことの有るセリフだったのでグサグサ来ましたわw

そんな中で唯一許された非リア充の自由な行為は「みんな死ねー!」です。
桐島の人気に嫉妬しながら悔し涙にくれて歯噛みする青春。
「桐島ぁ?知らねーよ。もう食っちゃったし」って言うしかないじゃないですか。
この閉塞感を打ち破るためにはそれしか無いのです。

「きっと、うまくいく」
通常の映画3本分くらいのエピソードが詰まった笑いあり涙あり歌あり踊りありなインド映画でございます。
頭の悪い田舎の高校生の白昼夢をそのまま映画化したようなお話で、実に馬鹿馬鹿しいのですが。
この無邪気さ…インド人てこんなにイノセントな方たちなんでしょうか?(まさか!)
「んなこたぁない」とツッコミを入れつつ鑑賞。
インドの階級制度、封建的な家族制度、異常に高い若者の自殺率。どれも閉塞感に満ちています。
それを打ち破るのが一人の男の頭脳って言うのが…
まあ、インド料理のフルコースを3時間にわたって進められて鯛や平目の舞い踊りもついてて「感動しろ〜〜感動しろ〜〜」と耳元で叫び続けられた気もしますがw
お好きな人はいいんじゃないでしょうかね。
主人公がちょいとインドよりのジュード・ロウて感じの人だったので、「インドでは色が白いほどエライんだなあ」ということだけがよくわかりました。

「悪の教典」
いじめ、淫行、集団カンニング、同性愛とこの世のありとあらゆる悪がはびこる都内の私立高校。
その閉塞感を打ち破るのは本物の「サイコ・キラー」英語教師のハスミンである。

鼻歌交じりに殺戮を繰り返す。
まるで決まったノルマを消化していくように楽しげに次々と殺す物語。

「さあ諸君、狩人の夜は始まったのだ 観念するがいい」
とでも言いたくなるような爽快感あふれる殺戮シーン。
認知くんこと山田孝之さすまたで差し出されたパンツのにおいをかぐシーンで思わず爆笑。三池崇史、本当に旨いな大好きだわこの演出。
残酷シーンも気持ちよさそうに楽しく撮っているのがこの映画が「不謹慎」と言われる根拠なんでしょうね。
ワシは案外気に入りましたけどね。

三本借りた中ではコレが一番面白かったです。
佐世保の事件ともリンクするような箇所もいくつかあって興味深かったですね。
あの子がもし、事件を起こす前に留学がかなってて。その先で新しい出会いがあったなら…と思うと、また一つのあるべき人生のコースが見えてくるような気もします。
普通の人はこうやって映画で見て…
この閉塞感を破るためにたまにこんな爽快感あふれるホラー映画の残虐シーンを見ては「あはは、ひどーい」とか言いつつ笑って終わるんですがね。
終わらない人もいるって事で。
生きている人間が一番怖いってことですね。