山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

天国の門

仕事がお休みだったので、録画してあった映画見ましたー( ^ω^)
お題はコレ!↓

天国の門

…「呪われた映画」とまで言われた有名な作品ですわね…
一体、何が、どう呪われているのか・自分の目で確かめる日が来るなんてなあ〜、胸熱!!(´ω`)
マイケル・チミノ監督はこの一作で伝説の監督(伝統ある映画会社をひとつぶっ潰して社会的な影響を与えた)となり、なんとなく尊敬されるような存在になってたような記憶があります(おぼろな記憶をかき分けかき分け)

…見たわ…

ナニコレ…見た、ワシが呪われたわ!!!��(゚Д゚)

幼稚な脚本、ただソコに突っ立っているだけの主人公、意味不明なダラダラとした演出、無駄に長いダンスシーン(しかも複数回出てくるw)、やたら豪華なモブシーン、爆発しまくる戦闘シーン、まさに「蛇足」としか言い様がない「監督、ついに発狂したのか!?」としか言い様がない歴史に残る「真実本当に100%無駄と思われるラストシーン」

なんなんだコレは。
現場は全員なにか悪いものでもキメてて冷静な判断が出来る(「もうこのシーンはそこまで拘る必要はないやろ?」と言える)人が一人も居なかった模様です(正直な感想)

もちろん、素晴らしい部分もあります。
巨匠ヴィルモス・ジグモンドの素晴らしいカメラワーク。
泰西名画みたいな見事なロケーションで素晴らしいセットを組んで。沢山の見事な衣装を身につけた役者さんや馬が出てきて。
西部開拓時代を見事に再現しているのです。

そしてそんな素晴らしいものを使いながら、地獄みたいにクダラナイ幼稚な話を3時間以上にわたって見せつけられるこの苦痛!!!

なんでこんな事になっているんだかこの映画…(首をひねりながら)
物語はこんな感じです↓

1870年。ハーバード大学の卒業式。
ここで若者たちは将来に夢をふくらませて青春を謳歌していた。
それから20年後、主人公ジムは保安官(裁判官??よくわからなかった)となりワイオミング州に赴任した。
当時、ワイオミングは多数のスラブ系移民を受け入れており、裸一貫で移住してきた移民たちが苦労しながら開拓を進めていた。
しかし、畑ではなかなか収穫もできず、家族が飢えるのを見かねた移民たちは「牛泥棒」になってしまう。
それを苦々しく思った畜産協会のメンバーは「移民狩り」を始めてしまう。
牛を盗んだ移民一人に50ドルの懸賞金を掛けて一般市民に?(ここがヨクワカラナイもしかしたら頼まれてた人も移民かも)処刑を委託し、殺させて回るのだ。
そしてついにその「標的」はリスト化され、125人もの移民が殺される予定となる。
ジムの恋人、売●宿の女将(というには若くて可憐)エマも客から現金の代わりに牛を受け取っていたのでその「死刑執行リスト」に名前を連ねていたのだった。
その死刑執行予定を知った移民たちは立ち上がり、州軍との全面戦争にまで発展するが…


おそらくは、マイケル・チミノ監督自身が移民の子で(名前からそう察しただけだが)
「このアメリカという国にすべてを捧げてその発展に寄与した移民の存在を映画として歴史に残したい!!この愛憎入り交じるアメリカという母国に物申す!!!」
みたいな感じで作り始めた映画なんだろうけど…
主人公が基本、何もしないのが致命的。
多分、本当の主人公は最初に処刑されるミハイル・コバッチュの奥さんなんだろうけど。多分、そこに監督の「名も無き歴史に埋もれていった普通の人を主人公に押し上げて歴史に光を当てる」とかなんとかいう崇高な思いもあったんでしょうけど…

いかんせん、監督。腕が悪すぎる…

多分、この芸風は後々のテオ・アンゲロプロスとかに受け継がれて行くんだろうけど、もう、この流れに組み込むのがアンゲロプロス監督には気の毒になるほどにひどい映画ですw
意味不明なダンスシーンとか…確かに豪華で目の保養にはなりますがあまりに時間が長いしかも何度も繰り返されるw
天国の門」て一体なんじゃい??と思ってたら、映画中盤で種明かしされるんですが…これがまた激しく膝かっくんでw
「深い意味なんかなんもないカラッポ映画」としか言い様がない映画でした(´・ω・`)

まさに「遅れてきたアメリカン・ニューシネマ」という位置づけが正しい気がしますが(ワシの勝手な決め付けによる)
コレを劇場で見せられたらタマランよなあ…
こんなとっちらかったすっとこどっこい超大作で映画会社潰しちゃうんだから凄いよなあ…
コレに出演したんじゃ、俳優にとってもキャリアのプラスにはならないよ…

マイケル・チミノ、よく消されなかったよね…

※今、ぐぐったら、アンゲロプロス監督の方が先でした。
ああっ、凄いわアンゲロプロス監督、やっぱり大天才!!!∩( ・ω・)∩←今日の結論w