山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

18世紀のフランスから来た人

生まれた子供を次々捨てた夫婦の事をニュースでやっておりましたが。
赤ちゃん3人遺棄 「長男は埼玉県内に捨てた」

このニュースを見て最初に思ったのが、
ジャン・ジャック・ルソーかよっ!?」
だったんですが。
Wikipedia=1745年、下宿の女中テレーズ・ルヴァスールを愛人とし、10年間で5人の子供を産ませ、5人とも養育院に入れてしまった)
「養育院に入れた」とい言うと綺麗な言い方ですが。
まあ、要するに「捨て子」したんですね。
勿論、路上に置いてったわけではなくて、しかるべき施設に連れて行ったという意味なので、厳密には「捨て子」とは言い難いかもしれませんが…

この場合このテレーズ・ルヴァスールという女性が…あの〜…すこし足りない系女性だった臭くて。
大昔、「告白録」を読んでの感想ですので違ってたらごめんなさいよっと。
それまでルソーが愛人をしてたなんとか男爵夫人(もう調べる気力がないw)とか自分でコツコツと錬金術の研究をやっているような、当時としてはかなりのインテリ女性で。
彼の人生は知的な女性がよく登場するのですが、このテレーズに限っては…いわゆる「都合のいい女」と言いますか、「セックスつき家政婦」みたいな印象です。

読み書きもできなくて、田舎から奉公に出てきて、善良が過ぎて男に食い物にされてたような女性だったはずで(記憶オボロ)

母を亡くし、父を出奔によって失ったジャン・ジャック・ルソーにとってテレーズは自分の全てを包んで許してくれるような存在だったんだろうな…
と想像するわけですよ。

ところが、このさらっと「5人の子供は全部捨て子しました、だって実の親を知って憎んで大きく育つよりは最初から親なんか知らないほうが幸せに育つよねっ、てへっ♪」みたいな記述に激しくずっこけるわけでして…

しかもジャン・ジャック・ルソーったらこのテレーズとは生涯事実婚で押し通して最晩年にようやく正式に結婚したのかな?でも、客人が来ても決してテレーズを同じテーブルに着かせることはなかったようで…

ひどい男のクズ…(ぼそっ)

このジャン・ジャック・ルソーが教育論の「エミール」を書くわけですから…なんというかw
ニンゲンとは複雑ですわね。
でも「実の親を知らないほうが子供は善良なニンゲンに育つ」という理屈は…
ちゃんとした施設で愛情を持って育てられるならともかく、18世紀のフランスで、果たして子供は(貴族の子弟ですら子供は獣並みの扱いしか受けなかった時代なのに)そんなルソーの妄想通りに育ったのかどうだったのか…
しかも、当時庶民においては「子捨て」は非常にポピュラーで大して心も痛まない行為だったということもあるんだろうな、と想像するわけでございます。

だからこの3人遺棄した夫婦は??
ノータリンなのか、はたまた18世紀から来た人なのか…という結論でございました。