山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

アニメ「進撃の巨人」

いやはや、トンデモナイものが始まりましたね!
それはコチラ↓

TVアニメ「進撃の巨人」公式サイト

とにかく見ていただきたい!
原画、動画、演出、脚本、どれをとっても超素晴らしい
スタッフがオール日本人というこの事実一つとっても、いかにこのアニメお金と労力と才能のすべてをかけて全力投球で制作されようとしているのか?が伺えるかと思います。

しかもこのアニメ、コレはもうその小手先のテクニックだけではない、有無を言わせぬ説得力があるんですよね。
ワシはソコに一番、ビックリしましたよ。

この原作の連載が始まったのが2009年。
つまりリーマン・ショック後、民主党が政権をとった年ですね。
とにかく「描きたい!」というその気持だけで描かれているような漫画で。
最初に見た時はびっくりしてしまいましたよ。

そしてその漫画がアニメ化されたのが、今年2013年。

2011年3月11日の悲劇を体験した日本人にしか描けない、その絶望と怒りとそれでも「生きたい!」と願う。
その渇望が、ひしひしと伝わって来ましたねえ…
長生きはするものですね。

あの絶望の日々からこんな価値観が生まれるとは。
ぬるま湯につかって平和ぼけした日本人の「ゆとり」が。
冷水を浴びせられていやというほどの現実を突きつけられて。
それでも日本人は生きていくのだと、戦わねばならないのだと、ハッキリと自覚した日々。

その心をなぞるように。
しかも「アニメ」という形で提示されたのに、驚いたと同時に感動しましたね。

劇中の街を守る兵隊たちのセリフにそれはよく顕れています↓
「兵士が活躍するってこたぁ、それこそ最悪の時だ。俺たちが役立たずのタダ飯喰らいだってバカにされてる時の方が、みんなは平和に暮らせるんだぞ」

防衛大学の卒業式で当時の吉田首相が贈った送辞を思い起こさせるセリフです。

この原作の漫画を最初に読んだ時は、「ああこの漫画は、まさに今の日本を写した鏡のようなものだな」と感心してしまったんですよね。
その時のレビューから抜粋してコピペ↓

この閉塞感に潰されそうな城壁によって守られた(気になっている)人間どもの哀れさ。
その中ですら、弱いものがさらに弱いものを叩くという構図も後々用意されている。


この「失われた20年」の中で苦しみもがき続け、数多くの自殺者を生み出したこの「今の日本」という地獄が産み出した傑作の予感。
それでも生きたい。輝きたいと若者は願い、現実と戦う。


そう。この原作の輝きはそのままに。
原作受け取ったアニメの作り手さんたちは3.11を経験し、更にその世界観を深く強く、実感として受け取り。
こうやってアニメ化する事ができたような気がするんですよ。

まさに、今の、この日本でしか成し得なかった奇跡の傑作が誕生したようです。
是非とも、みなさん、TVでご覧になって下さい。

TVアニメ「進撃の巨人」PV