山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

昭和の母性神話

昨日の話と関係あるのかないのか。
実は、昔(昭和の頃)って「添い寝をしながら、赤ちゃんにお乳を上げてて死なせちゃう」という窒息事故が多くて、よく新聞に載ってましたね。
今、たまに目にする乳幼児突然死症候群ではなく、「窒息死」
ある一定年齢以上の方は目にしたこともあると思いますが。

出産前に保健所で行われる妊婦指導でも今から20年前は、
「寝ながらお乳を上げるのはやめましょう。窒息死事故が起きる事があります」
みたいに言われてました。
当時は「ふーん、恐ろしいな」と思ってたのですが…

実際、自分が子どもを産んでお乳をやるようになってみたら。
「そんな赤ん坊を圧死になんか出来ません」
というのが実感でしたね。
そもそも赤ん坊がいる頃って、母親の身体は「寝ないようにできている」し。
そんなに熟睡するということが、出来ません
子どもが3歳過ぎるまで熟睡なんて出来ません。したくても出来ない。
また、熟睡しなくても死なないように母体ってなっちゃうんですよ。普通の状態だったらとっくに過労死しているよな極端に短い睡眠時間でも。
ウツラウツラ浅い眠りで寝ながらもいつも全身で赤ん坊の様子をうかがっています。
そんな状態。

新聞記事ではよくその圧死(窒息死)事故の原因が「母親が疲れていたのでつい熟睡して添い寝してて圧死させた」みたいに書かれてましたけど。
赤ん坊が死ぬまで母体で押しつぶすのって並大抵のことじゃできないですよ。
家事労働や農業等昼間の労働が今より過酷だったとしても。

赤ん坊も、実際は結構頑丈で、そんなに簡単には死なない(実は、コンクリートの階段でこけて、一度落としたことがあります…初号機を…スマン)です。
生まれたての状態でもモギュモギュ動くし、2ヶ月も経つと喃語を喋り始めて手足をブンブンして一丁前の人間ここにあり!!て感じですもんね。

このことからワシが一番疑っているのは、
「殺そうと思って最初から潰してないか?」ということです。

今でこそ、育児ノイローゼとか虐待とか、人の目にさらされるようになりましたが。
性神話がまかり通っていた昭和の時代に、もしも「この子さえ居なければ」と思っている母親が居たとしたら。
恐ろしいことですが、ワシはそのガスの検針員さんの話を聞いて以来、一番疑っていることは、
「実は家族による子殺しというのはワシの想像以上に多いのではないか?」
ということです。

そしてその罪に手を染めた人が、割と普通に生活してて実際自分の周囲にいるのではないか?という恐怖。
自分でも猜疑心の強さに驚きますけどね。