山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

デザイナー 下迫秀樹(Oversleep)さんの事

そろそろ卒業式なので、卒業式に着る服の心配を始めるワシ…
いつもの千鳥格子のジャケットは散々着たので、他の物をたまには着たいぽよ(´・ω・`)
「そうだ、久しぶりにニットのチャイナカラーの上着にするか」
と思いまして取り出してみます。
2003年頃?に買ったパンツスーツでして。
変わった織り方(ジャガード織)の生地で作ってあり、ニュアンスのある凸凹の生地の表面が光によって表情を変える陰影を作る、素材感に富んだ面白い服です。
色はベージュ。
形は、上着がチャイナカラー。いぶし銀の変形ボタン。下がバギーパンツというシンプルなもの。
ブティックに実際に吊るしてあるのを見たときは、
「ネイビーか黒のほうがいいな」と思ったのに、実際試着してみたらベージュが断然おしゃれだったという。
非常に衝撃を受けた一枚です。

「色柄形共にとってもワシに似合う」ので、もともとこのブランドのものが好きでよく買っていたのですが。
コレはビックリでしたね。
中にブラウスを着てもいいし、セーターでも可。おしゃれなTシャツでも十分にイケルという便利スーツでして、重宝しました。

このブランド「powder」のデザイナーだったのは下迫秀樹さんというお方。
「地球上の物質はすべて粒子(パウダー)からできている。粒子はとても小さな単位であり、物質の根源である。パウダーのコンセプトもここにある。自分の本質に立ち返り、粒子となって創造の原点に触れていたい。着飾るのではなく自分らしく着るためのブランド。大人の女性たちに、遊び心に満ちた新しい生活着を提案する」
というコンセプトのもと、服作りを進めていらしたお方です。

「パンツを正装用の黒のにして、ハイヒール履いて。中にイッセイミヤケのブラウスを着れば、十分卒業式にイケルわね」

powderは既に消滅したブランドで(不景気のせい?)
今、下迫さんも独立してコツコツと「Oversleep」というブランドで服作りを続けていらっしゃるようです。
彼の作風はその独特のテキスタイルにあり、シンプルでベーシックな女性の体を綺麗に包むラインのデザインに乗せた時に魅力を発揮します。

「黒いレーヨン生地に白抜きでミヤマガラスのシルエットを一面に散らしたテキスタイルでカシュクールタイプの色っぽいワンピースとか作ってもらえないかなあ」
妄想は膨らみます。