山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

Dichten @Sibuya O-East 8/09 後編

ハンドマイクはメンバー紹介だったんですね(今更)

トロイメライ
ギターの音が良いですね。
水彩画みたいな綺麗な世界。
エリック・サティのフレーズに乗せてロマンチックな世界が広がります。
小さなコップの中でくるくると回る炭酸水と氷を見ているよう。

「If?もしもの話」
おおお、いきなりかっこいいロックの世界が始まります。
前回のOPがEDに持ってこられたって事か。
この曲、凄くPOPでなんか、しかも切実でいいです。

この凄く明るいはずの夏の歌がなんか切なく感じるのが「Dichtenらしい」とも言える…かも?
もつれる足取りで居ても立っても居られずに走りだした!みたいなギターソロも素敵。
楽器それぞれのパートがくんずほぐれつ、戸惑いつつも全力疾走という印象。
でも、それも味わいのうち。
なんかこのともすれば、ストレートなラブソングになりかねない歌に、独特の陰影を付けている気がします。

__________________________

【今回のライヴ総括】
ワシ的にはDichtenの未来が見えてきた!という気がします。
妄想かもしれませんけどね。

なんとなく「予感」でしかなかった「歌の世界」のピントがキリッと絞られて来た気がします。
単なる予感は確信に。予兆は現実に。
そんな気がするのです。

コレは…早晩、ロックファンの目に留まる日も遠くない気がします。
ちゃんと独特の世界がある。
目指すべき世界が見える。

目の前の霧が晴れて、Dichtenの実像が見えて来た気がします。
風のように吹き渡る音楽。
その音楽によって喚起される様々な記憶と感情。そして感傷。
それは時には胸をざわつかせ、不穏な気持ちにさせられることもあるかも知れない。

でも、あくまで明るく、優しく、希望と共に日のある場所へ行こうとDichtenは誘う。

やっぱりライヴを重ねるって事は大事なんですよ。
今までモヤモヤとして実態を掴みかねていたものが、よりはっきりと明確にまるで肉体を獲得したかのように、存在感を持って立ち現れてくる。
これはまさに、Dichtenの誕生!と言えるのではないかしら?

おめでとう。
お誕生、おめでとう。
この世界にDichtenが生まれてきてくれてよかった!
長生きはするもんですな。
まだまだこんなロックバンドにワシは出会える。