山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「This is England」

DVDを4枚もレンタルしてきたので、感想を書いておきます(^^)<font size="-2"><キモイ顔文字ヤメレ</font>

「さようなら少年時代、さようなら2トーン」

ショーンと彼を取り巻くスキンヘッズの有様が実に懐かしくて涙が出そうになる。
当時はね、居たんですよこんな人達が。
現実に知ってた訳じゃないけど、風の噂にw知ってました。

不良のくせに妙に優しい。
労働者階級の人種も様々な子供たちが、白人、有色人種入り乱れておそろいのファッションに身を包んで一緒に遊んでます。
(その文化の中から2トーンと言われる音楽も生まれたわけですが)
Dr.マーチンワークブーツにベン・シャーマンのシャツ。
スリムなリーバイスをサスペンダーで吊るして、髪を刈り上げる。
そしてみんなで仲良くお茶を飲んでますw

自分の考え方、生き方をファッションで表して、様々なグループに別れながらもそれぞれがポリシーを持っていた時代。
1980年代前半てこんな感じでした。

そんな懐かしい(涙チョチョ切れの)時代を懐かしく、古い友達を思い出すように、アルバムをめくるように楽しめる映画です。

そう言えば、以前バズコックスのアー写を見たときもまさにこの世界でしたね。
なんでか小さい子供たちと一緒にメンバーが写ってた。
(背景には典型的なイギリス風の低層集合住宅)
労働者階級の子供たちには、「大きい子が小さい子の面倒をみる」という麗しい習慣がこの頃まで残ってたんですね。
炭鉱労働とか産業革命頃から続いたものであった気がします。

ふとしたきっかけで主人公の少年が国民戦線(ナショナル・フロント)に飲み込まれる経緯とか。
自然で納得出来る流れで良かったですね。

今の日本も同じ。
出口のない不況と外国人の流入(そしてなぜか優遇されている)
未来の見えない若者たちが団結し分裂してゆくその日常の悲劇。
最後のシーンは英国流青春映画の常道にちゃんと従ってて(「長距離走者の孤独」とか「さらば青春の光」等々)お見事。

塀の向こう側にちらりと海が見える瞬間の開放感の素晴らしさったら無い。
久しぶりに「映画の素敵なマジック」を見た気がします。