山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ジンゴロウちゃん伝説

「最近、ジンゴロウちゃんを見ないねえ」
と、家族で言い合っておりましたら。
山奥から、「にゃんにゃんにゃん!」と声が聞こえてきて、噂をすれば影。
ジンゴロウちゃんのご帰還です。
山奥からどんどん声が近づいてきたと思ったら、山から「したっ」と中庭に下りてきて、仕事部屋の前で「開けてー。エサー!」と呼ばわってドアボーイ(夫)に命令します。

知っている人は知っていますが。
ジンゴロウちゃんはちょっと心が病んでいる猫でして(苦笑)
どんなに人間に可愛がられても、人間に心を許すことが出来ない猫なんです。
人にだっこされるの大好き!撫でて貰うの大好き!!なんですが、家に一日中居て、家でのんびり暮らすという事が出来ない猫なのです。

同じ野良猫出身でも、一日中、家の各所でドテーーと横になって太り放題に太って。
今やあの愛らしい子猫時代の面影は何処に??
すっかり巨大猫になってしまった我が家の末っ子「よしあき」とはまるで違います。

ちょっとした事でジンゴロウちゃんの人間への信頼は揺らぎ(例えば、風呂に入れたとか、病院に連れて行ったとか、モノを倒して大きな音を立ててジンゴロウちゃんを驚かせてしまったとか。そんな些細な出来事で)
家から出て行ってそのまま山に籠もってしまい、1週間やそこら帰ってこないのがデフォになっております。

しかし、今回は2週間も帰ってこなくて。
さすがに家族一同で、「どっかで車に轢かれたんじゃないか」と気を揉んでおりましたら、かように山奥からいつものように、
「俺は帰ったぞー!」の叫び声を上げながら(こんな猫、ジンゴロウちゃん以外に知りません。猫のクセに「ただいま」アピールが激しいのよ)帰ってきたわけです。

丁度ワシが傍にいたので、仕事部屋のドアを開けながら(他の猫に邪魔されずにゆっくり餌が食べられるように、ジンゴロウちゃんだけ仕事部屋で一人、ゆっくりエサを貰う事になっている)
「お帰りー。無事だったのね」
と言いつつ、
「どれくらい痩せているのかな?」と胴体を両手で掴んで痩せ具合をチェックするのですが…

「…全然痩せてないじゃん、コイツ」(??;

山の中で野鳥やネズミを捕って食べてた割には背骨もゴツゴツしてないし、アバラも浮いていません…

「お前、山の向こう側にもう一軒、エサを呉れる家を持っているだろう!?」
思わずジンゴロウちゃんをなじるワシ。