山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

花開く夜

元々、ピロウズはライヴバンドで、ライヴでこそその真価を発揮するバンドで。
確かにその通りなんですが。
多分、違っちゃった理由はそれだけじゃないんですよ。

エレカシのミヤジが欲しがったのは多分、自分を崇拝してくれるヒト。
さわおが欲しがったのは自分を理解してくれる理解者。

多分、その違いダケだと思うんですよ。
たったそれだけの事なのに。
あのエレカシの極寒の武道館はどうしたもんじゃろかいな(熊本弁)

エレカシのライヴはまあ、地方の小さいハコはそれなりに熱くなっているようですが。
相変わらず武道館は酷いものです。
いや、武道館に限らず。
ホールになると、最前列を着飾ったオバたちがガッチリ固めてて。
動かざる事、冷凍マグロのごとし。
グルーヴもロックも屁の河童。
「ミヤジ、アタシを見て♪」みたいな気持ちの悪いオーラを放出なさっているようですね。テレビで見ただけだけど。

自分も時々最前列近くまで行っちゃったりするからアレなんですが。
どうせ行くんだったら、魂振り絞って、その音に乗って最後までがっつり泳ぎ切ってみやがれよ!!
と、思うんですけどね。違いますかね。

やっぱり、ライヴはデートみたいなもので、憧れのロックスターにお会いするためにお洒落してしゃなりしゃなりと冷凍マグロで決めるのがクールなんでしょうかね、やっぱり。
それが「大人の女性」ですか?

<b>ワシはイヤだ。そんなのw</b>

客席が盛り上がって、それを見てステージもヒートアップ。
どこまでもどこまでも、お互いのエネルギーを交換しながら、果てしなく汗まみれになりながらこの音楽の瞬間を、この魔法の一瞬を最後まで味わい尽くそうと、やっている方も見ている方も発熱体の団子になって何処かに向かって爆走しながら三歳児になって大はしゃぎする。
そんな瞬間を取り戻したくて、何度もライヴハウスに足を運んできたのですから。

武道館でだってそれは同じ。

この20年間、ピロウズとバスターズが、繰り返しやってきた事の真価が顕れた夜でしたね、916。
何度も重ねてきたライヴでこそ、長年培ってきたモノが大きく花開いた夜でした。

ピロウズあってのバスターズ。
バスターズあってのピロウズ
会場がどこかなんて関係ないけど、でも、916が神聖な武道館で良かった。
あの美しい夜に最も相応しい場所で良かった。