山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「ロックバンド」の定義

何が違ったのでしょう?
多分、ミヤジはあの時、自分のソングライターとしての資質に絶対的な確信を持ったんだと思います。
才能は最初からあったんだから、自信を持ってて当然と言えば、当然なんですけどね。
でも、「今宵の月のように」が馬鹿売れして、「ほらみろ!」と世間に対して「勝った!」という気持ちがあったんじゃないでしょうか?

いや、本人に直接聞いたことがあるワケじゃないから全部ワシの妄想なんですけどね。
おそらく、あの瞬間、「オレって凄い」と思っていたのではないか?
世界に出しても全然恥ずかしくないと思っていたのではないか?
勿論、ソングライターとして出しても恥ずかしくないヒトだと思いますが。
(余談ですが。ネットをやるようになって、驚いたのは日本語ロックのファンが全世界にちゃんと存在するという事実、でした。しかし、実はまだ一人として「エレカシ最高!」と言ってる外人は見たことがないですね。ナンバーガールイースタン・ユースピロウズなんかはいっぱい見かけますが)

でも。
実はワシはデビュー当時からエレカシを知っていたのに、「ロックバンドじゃなかった」と気がつくのに、20年近くかかってしまってたんですよ。
本人も「俺達はロックバンドだし」と常々言っているし(いかん、こんな年になっても他人の言うことを鵜呑みにする瞬間がまだまだあるのだな!)
世間でもそんな受け取り方だったので、てっきり「色々不満はあるけどロックバンドなんだろうなあ」と思っていたんですよ。

でも、違ったんですよ。
それに気がついたのは、実は生のミスチルZeppを見てからなんです。

「オイちょっと待て、これじゃ、エレカシミスチルとなんら変わらないじゃないか!!」
と。
凄く後になって気がついたんですよ。

何を持って「ロックバンドとは言えない」とワシが主張するのか?
ソレは、メンバーのエモーショナルな衝動が全部抑え込まれてて、化学反応を拒否するという部分の事です。

ワシはロックバンドの醍醐味はそのバンド、そのメンバーでしか起こりえない、化学反応にあると思います。
ギターはその人じゃないと。ドラムもこの人じゃないとダメ。
ベースもヴォーカルも。このメンバーの組み合わせで音を出した時にだけ生まれるグルーヴがロックの命だと思っています。
他の人にとって替われない。
そんな瞬間を見たくてライヴに通ってます。