山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

タヌキのしかえし

昨日、町の広報を読んでいたら、小学生向けのイベント行事が掲載されていましたよ。
「竹のおもちゃ作りとそうめん流しの会」ですって。

「参加資格」は誰でもOK。
竹や小刀類は会場に準備されているので、参加したい人は「そうめん二束」だけを持って会場に行けば良いそうです。

「コレ、楽しそうじゃん。夏休み行ってみれば?」
と次女に言って、改めて見てびっくり。
なんと開催は9月の予定ですw

「なんで9月に流しそうめん?」と思ったのですが、一応、次女に
「行ってみますか?」とお伺いを立てると、
「別に行きたくない」と申します。
「なんだよ、そうめん二束持参するだけで誰でも参加出来るのよ?山のタヌキだって、そうめん二束で参加できるんだったら、自分だって参加しても良いかも?って思っているかもしれなくってよ」
と、ワシが言いますと、次女、
「タヌキが?」と驚いたように返します。

ちょっと面白くなったので即興でお話を作って聞かせます。

「山のタヌキは友達が欲しくて、公民館のそうめん流しに参加したくなり、山を下りて行き、お店にこっそり入ってそうめんを盗んできました」

「盗んだの!?」と次女。

「タヌキは『コレでお友達の仲間に入れて貰えるだなも』とそうめん二束抱えて公民館に出かけました」
「するとなんと言う事でしょう!すぐに仲間に入れて貰えると思ったのに、『タヌキのクセに生意気だぞ!』とそうめんを取り上げられ、あっというまにボコボコに叩かれて会場を追い出されてしまいました」

「酷い…」と次女。

「『うわぁ??ん、人間はイジワルだなもーー!!』タヌキは泣きながら山に逃げていきました。ところがその数日後、次女ちゃんちのポストを覗き見ますと、今度は町役場から日帰り温泉ツアーのお知らせが入っていました」
「『温泉、行ってみたいだなも』とタヌキはせっせと木から葉っぱを取ってきて、5千円札と千円札を一枚ずつ作りまして参加費用を捻出しました」

「自分でお金作れるの!?」と次女。

「幸い、そのお金は見破られることなく、無事、温泉ツアーのバスに紛れ込むことも出来。その上、山の友達におまんじゅうのおみやげまで買って帰ることが出来ましたとさ」

「はー」と次女。

「タヌキが帰った後、お金は元の葉っぱに戻り、温泉街の人は腰を抜かしました。めでたしめでたし」

「めでたいの?」と次女。