山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

阿修羅像を見に行く 3

「ほー、やっぱり本物を見ると色々感じることがあるもんだなあ」
と感心しながらモッシュゾーンをジワジワと移動します。
この展覧会での最大の売り。
「360度全方向からの鑑賞可能な円形ステージ」の威力ですよ!

でもコレ、欲を言わせて貰えれば、「上からの府眼ショット」も見たくなってきますよw
「この円形ステージと同じ輪が天井にあって、そこにCCDカメラを這わせて、写しっぱなしの映像をモニターに流してくれていたら、もっと興奮できたのになあ、このライヴ」
とか不謹慎な欲望を感じてしまうワシでありました(欲深)

数周、その円形ステージの縁をグルグル周り、ある程度満足したところで八部衆を見に移動します。

「あ。タママが居るでしゅ?」

八部衆の中に<a href="http://bandai-hobby.net/plamo/all/kit/37770_k.jpg">タママ</a> が居ましたよ。<a href="http://wwwz.fujitv.co.jp/events/art-net/photo/go_765_04.jpg">コレ</a>

天平時代にタママが居たとは…」と、沙羯羅像(さからぞう)を見ながら感心するワシ。
でも、さっきまで見ていた阿修羅もこの八部衆の仲間なわけですよね?
なのに、この作品のクォリティの違い…
阿修羅だけ「特別扱い」という感じの造形ですよ。

八部衆は基本、装飾品や顔立ちに差違はつけてありますが、手の表情や足の表現は「量産品」て感じの作りです。
阿修羅像は脛や足先にも個性が出ている気がするんですがね。
その他の八部衆は足の表情とか個性とかヘッタクレもない世界ですよ。

「足にも幅広甲高とか色々あるのにね、なんだこの規格品…」という気分になりました(畏れ多い奴)
同じコーナーに十大弟子の立像もあるんですが。
目の表現とか基本、同じなんですね。
ぼやけた、涙をたたえたような非常に曖昧な表情のまなざし。
これが独特ののどかで素朴な表現になっているとも言えるのですが。

天平ではコレが限界って事か」と納得しながら次のコーナーへ移動。

するとなんと、次のコーナーにトンでもない物件がワシを待っておりましたよ!
「コレは凄い!かぁっこいいいいーー!!」
思わず口走るワシ。
コレは初めて見ました。
運慶の父親、康慶の作品、<a href="http://www.asahi.com/event/images/TKY200903190128.jpg">「四天王像」</a> ですよ!康慶最晩年の最高傑作。