山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

阿修羅像を見に行く 2

一通り民族衣装のコスプレをし終えたら丁度夫がやって来て。
一緒に入館。
「やっぱり今日にして良かったみたいね」と言いつつチケットをもぎって貰い、会場へ入ると。

「おお、この感じ。なんだかライヴハウスみたい♪」

阿修羅くんがスタンディングしている円形ステージを、ファンがぐるりと取り巻いていますよw<本当にそんな感じなのよ。
「ま、あちらはおいおいじっくり見るとして。前菜をいただきましょう♪」
と、前コーナーの華原磐(かげんけい)と波羅門立像(ばらもんりゅうぞう)を見ます。

「おお、素晴らしい造形!前座だけでコレだけ素晴らしかったら、阿修羅像への期待が否が応でも高まるという素晴らしい演出ね!!」

家に帰って気がついたんですが。
華原磐は1997年にワシ、見て居るんですよね。
この時は他の造形物があまりにもレベルが高すぎて、この素晴らしい華原磐すら記憶に残らないほど、凄い衝撃だったって事ですよ。

一対の龍のめくれ上がった上唇。
足の力強い素晴らしい表現、全体のうねるような円環を描く「永遠」の表現。
全てがあまりにも素晴らしくて、「眼福」の一言につきます。
「さすが国宝!!」

その華原磐の鐘を打ち鳴らすようにバチを振り上げたバラモンの姿。
顔の平面的な素朴な表現に比べて、背中や脚、指先のリアルな表現が素晴らしいです。
「この人体の表現には鎌倉時代の肖像彫刻の面影が見えて面白い」と感じました。

「さあ、メインディッシュ!行ってみようかー」

首をぐるりと左へひねると、そこに阿修羅がおわします。
「ふむ。かぶりつきはモッシュゾーンね」
何故か人々が一団になって、「わっせわっせ」と反時計回りにジワジワと廻っております。
「なんで反時計回り?」

とりあえず、その流れに入って最前列を目指します。
「本当に雰囲気がライヴハウスって感じだなあ」
と思いつつ、流れに乗って最前列へ。
阿修羅像、向かって右側の顔の正面当たりからかぶりつきで観察します。

「あ。幼い」

向かって右の顔ははっと胸を突かれるほど無垢な、幼い表情です。
身長もウチの次女ぐらい。足の大きさも同じくらい。
何故か妙に親近感を覚えましたw
気になっていた、真後ろの髪の毛の表現もばっちりチェック。
「なるほど、終わりのない繰り返しの表現か」

阿修羅像はその頭上に「永遠」を掲げていたのです。