山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

2004年のイエスを観る

なーんて言ってたら。
NHK Hi-Visionで、イエスの2004年アメリカはマサチューセッツでのライヴの様子が放映されたりしてましたよ。
「えー?ちょっと観てみっか」と軽い気持ちで見始めたワシ。

知っている人は知っているが…
ワシは実は「元プログレッシャー」である。
元々はELPとかキングクリムゾンが好きだったのに、中年になった今、この2バンドは全く聴きません。
なんかもう、全然体が受け付けないのよ。

あんなに気持ちよかった筈のスーパーテクニックも凝った楽曲も。
「全てが鬱陶しいんじゃボケェー!!」ヽ(`Д´)ノウワァァァン!
って感じになってしまうんですよ。
加齢による趣味の変化って恐ろしいですね。少女時代はあんなに好きだったくせに(??;

で。イエス
何故か?このバンドだけは、少女時代の昔も、おばさんになっちゃった今現在も好きなんです。
自分でもその理由が全然わからないのですが(昔、あんなに好きだったピンクフロイドも今じゃ「大嫌いなバンド」になり果てたのにね<デイヴ・ギルモアのせい)

まー。イエスと言えば、誇大妄想気味のヴォーカルとその他メンバーが、バンドの名前の使用権を巡って骨肉の争いを繰り広げた__という記憶が大きくなり過ぎちゃってて。
しかもワシの中のイエスというバンドは1976年で終わってるしw
(その理由は簡単。ワシがパンクに出会ってしまったから、プログレそのものに興味が無くなっちゃったんですよ)

でもその後。
車を運転するようになり、初夏の阿蘇や大分周辺をドライヴしていると、イエスの音が凄く合うんですよ、風景に。
単純に気持ちが良い。

非常に原初的な音楽的快感があるバンドで。
「イエスもええなあ」と再認識したわけですよ。

そこで、今回のこのライヴ。
久しぶりにイエスのメンバーを観ましたが。
いやーー。みんな偉いねえ。
ちゃんと楽器が弾けてる&歌えてるー!!
ロジャー・ダルトリーの汚い声に萎えた後だったので、ジョンの美しい歌声に洗われる思いでしたね。

谷間を渡る風に乗って聴こえて来るような、湿度を含んだジョンの声。
苔の匂い、雨の匂い、雨雲の匂い、「もうすぐ雨と夕闇が迫ってくる」と感じさせる叙情的なこの歌声。
感動。