山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「LOSTMAN GO TO YESTERDAY」レビュー その3

つまり「イメージソング」という扱いはデスね、
・テレビCM等がオンエアされる時にBGMとして流れる
・劇場で映画が上映される前後にBGMとして場内で流れる
・劇中やエンディングでは流れない
・サントラにも収録されない
___という事だったようですね。

つまり挿入歌とかとはその扱いに雲泥の差があるワケですね。
イメージソング、その微妙な位置。
そりゃあメディアでも当時、殆ど取り上げられることも無かったでしょうし、なんか、ビンボークジですね(´・ω・`)ショボーン

しかし、この「LOSTMAN GO TO YESTERDAY」でワシは初めて「Love Letter Version」を聴いたんですがね。
想像していたよりずっと良いですよ。
ピロウズとは全然違うテイストですが、ピアノとオーケストラをバックにはかなげに歌う山中さわお
楽曲の繊細さ、ガラス細工みたいな美しさが際だってて、「バート・バカラック?」という印象を持ちます。
思ったより良いアレンジでねえ。
カーペンターズ(と、いうかカレン・カーペンター)が歌ったらピッタリな雰囲気です。
映画の「ラブレター」よりも深く、恋愛についての考察がちゃんとなされている歌詞(「今、言われたい言葉を、当たり前の顔で君は言う。ちょっとあっち向いててよガールフレンド、なんだか泣きそうだ」)もステキ。
(そもそも映画「ラブレター」は恋愛映画であるのかどうかもアヤシイ。と、いうか、日本映画でちゃんと男女の恋愛が描けている映画って実は本当に数が少ない)

多分、この楽曲で当時、ちゃんと世間で認知されていたのなら、きっとピロウズは今のピロウズにはなっていませんね。
「ソングライター=山中さわお」という立ち位置でそれなりに音楽業界には残っていたでしょうが。
その可能性はちゃんと(十分に)あった筈なんですが。
如何せん、ヴォーカルの脆弱さと歌のテクニックの無さ(そしてレコード会社の宣伝力の無さ?)で、せっかく楽曲が良いのに世に出るチャンスを逃してしまいました。
ソレは良い事だったのか?残念な事だったのか?

ワシは「あの時、あの曲で世間に認められなくて本当にヨカッタ!」
と断言して本日の日記を終えたいと思います。

ご静聴ありがとうございました<いや、まだ明日以降もレビューは続くんだが。