山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

黒猫帝国建国の野望

以前の事だが、流れ者のシャム猫(オス成猫)がウチに迷い込んできた事があった。
最初は人を警戒して、そのシャムはなかなか姿を見せず、山の中から「お腹すいたよー」「寂しいよー」とニャーニャー大声で鳴いていたんだが、結局クルが山に入って自分でこの野良シャムを説得してくれたようでorz
クルがそのシャムに
「旅の途中かい。ウチで美味しいもん食べて養生して、体力つけてからまた行きな」
とでも言ったらしく(?)
そのシャムはウチで一ヶ月ほど逗留して食客となり、栄養をつけてからまた旅立ちましたよ。

「え?今回もそんな感じなワケ?」と長毛黒子猫の事を思い出し、当惑するワシ。
「クルの世話好きにも困ったもんだな。これ以上ウチに猫を増やすなよ」

そして二階のリビングから庭を見下ろすと、いつの間にか、我が家の庭にて、長毛黒子猫を囲んでウチの猫どもの「巨頭会談」が真っ最中であった!

「うわ、アイツラなにやってんのー!?」と思わず呟く。
長毛黒子猫を囲んで、半径1メートルくらいの距離をとり、クル、ジュエル、珊瑚の三匹が、「で?どーすんのよこの子」「ウチに迎え入れるの?」「ってか、アンタ、家はナイの?」とかなんとか。
「相談しましょ、そーしましょ」な状態である。

「オマエラ、猫同士で勝手に話しに決着つけんなよ!」(思わず怒)
「って言うか、ジンゴロウ抜きでかよ!?ジンゴロウはハブかよ!?」(ジンゴロウは人見知りも猫見知りも激しくて、子猫の姿を見た途端、恐ろしくなって山に逃げて行ったらしい)
すると子猫は先住猫どもの好奇の眼差しにも負けず、大人しく、検分されるがママになっている。
「結構、根性が座った子猫なのかもな」と思いつつ、夕飯の支度にとりかかっていたら、いつの間にか子猫の姿は庭から消えていた。

「そうか、もう次の場所へ旅立ったか」とちょっと寂しいような気持ちで見送った。
猫どもも三々五々、家に帰ってきて、夕飯のカリカリを食べている。
「あの子はお腹がすいてなかったのかな?カリカリを少し分けてあげれば良かったな」と思ったが後の祭りであった。

珊瑚もジュエルもジンゴロウも、皆、最初から自分はこの家の子だったみたいな顔をしてカリカリを食べている。
「オマエラはみんなオマケなんだよ、ウチが好きで飼っている猫はクルだけだかんね」と言って聞かすが、猫どもは聞いてねえよ。