山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「ザ・藤竜也」という発明

と、言う訳で。
見ましたよ、「野良猫ロック」シリーズ第2作「野良猫ロック ワイルド・ジャンボ」(1971年/藤田敏八監督)
どこが「ワイルド」で「ジャンボ」なのか?は、最後まで杳としてしれませんでしたが。

んー、やっぱり面白かった!あったま悪い映画だけど、面白かったねー。

なんか、当時の「日本人像」をまざまざと思い出しちゃってー。と、長女に言ったら、
「なんでお母さん、そんなに憎々しげに言うの?」と訊かれました。
わははは。
確かに、当時より、今の方が生きやすい時代ですね。

そして、ココでやはり、「ザ・藤竜也」と「旧・藤竜也」を繋ぐ、ブリッジの役目をしている部分を散見させられましたね。
なので、「ほーら、やっぱりな!」と一人勝手に鼻の穴を膨らませているワシ(怪)

つまりそれは、ドユコトか?と言いますと。
前作「女番長 野良猫ロック」での「大笑いする無頼派デブ専角刈り男」というやたらムカツくキャラを産み出した藤竜也という俳優が、ココでいきなり、「ボヘミアンでよく笑う(やっぱりここでも笑いっぱなしかよ!!)前髪ハラリな男」を演じて見せたからですよ。

多分、このキャラクターを造形する時に、藤田監督その人をそのお手本にしたのではないか?とワシはここで推理するんですよ。
なーに、ココはワシの妄想日記。
大概の事を書いても大丈夫だ(多分)

だって、そうとでも考えなければ、俳優・藤竜也自身がこのキャラクターを1970年に産み出しておいて、これ以降30年以上にもわたって、その変奏曲を演じ続けられていられるなんて。
「全くの架空のキャラ」ではこうはモタナイと思うんですよね。

おそらく、藤田敏八監督を間近で見て、「なるほど」と分析&解釈して、作り上げたキャラクターだと思うんですよ=「ザ・藤竜也」って。
どことなく無頼でシニカルでニヒルなんだけど、男の可愛さ、危うさ、自由で浮世離れした雰囲気って所がね。
「真似するお手本」としては非常に藤竜也本人とその時代にマッチしたのではないか?とワシの中の「推理」が「ほぼ確信」へと変わってきましたね。

丁度、日本人の価値観も変わってきた時機で、その潮の流れに乗って巧い事「ザ・藤竜也」というキャラクターは演劇界において一定の需要と地位を獲得出来たのではないか?とこう想像するに至った訳です。

この話し、続いたりして。