山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ボーダーラインを越える男

しかしココで私は思い出します(英文直訳風文章)
「ギターでブラスに似た音を出す事の意味は?」
はい、皆さんも、ココで思い出してください。つ「ピロウズ黒歴史
例の「タイニーボート事件」を。

あれ以来、ピロウズにとって「ブラスやオルガンを入れる事の禁忌」みたいなものがなーんとなく出来たような気がするのです。
シンセは時々入ってますけどね。
自分たちの軸足を「日本語ギターロックバンド」として置いたからには、もう外部ミュージシャンに頼らない人生を選んだ__とでも言うのか。

久しぶりにブラスの音が入った録音は、「ペナルティライフ」(2003)収録の「ターミナル・ヘヴンズ・ロック」だったと思いますが、違いますか?
違ってたらゴメンなさいよっと。

でも、この曲でのブラス音は実は、「打ち込みによるもの」(コンピューター)なんですね。
ワシは最初、てっきり「本当のブラスの音」と思ってましたが。
非常に良く出来たブラスの音で。
後々、インタビューとかを読むと、真鍋代表がいちいち全パートのスコアを書いて、その楽器(トランペットとかトロンボーンとか)の音を一つ一つ作って、それを重ねて録音したブラス音だったんですね。
ココでワシは「あぁ、そうか!」とハタ☆と膝を叩く訳です。

この人(真鍋代表)、確かギターを弾く前(小中学生の頃?)はブラスバンドをやっていたんですよ。
なので、ブラスの音。特に金管楽器の「唇をブイブイ震わせて出しているような音」を作らせるとやたらと巧いんですよ。
全然、打ち込みの音に聞こえない。教えられないと判らない。
物凄く気持ち良さそうに、音が「抜ける」という感じを出すのが巧いんですね。

そしてソレを最初に実践したのは確か、ソロプロジェクトであるところのNINE MILESでの作品に於いて。ですよ。
つまり、ココでも「両者の垣根」が乗り越えられる訳ですよ。
「ブラスを禁忌にしたギターロックバンド」としてのピロウズ作品。そこにソロプロジェクトで実験して、「コレなら大丈夫」と確信を持てた技術を投入する。

そして、この「Heart is there」では「打ち込みによるブラス音」だったものを、ギターに変換して自分で自分をカヴァーする。
そしてそのコンセプトはこのCDシングルでの次の曲にも、更に発展した形で使われます。