山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「クレイジーケンバンド」と「渋さ知らズ」

テレビでまたちょっと面白いものを見たので、その事を忘れないように書き留めておきますね。

横山剣率いる「クレイジーケンバンド」について
以前、スタジオライヴも見た事があるし、ある程度どういうバンドなのか?は知っているつもりだったんですが、いやー、全く「予想外」でしたね。
ツアー最終日神奈川県民ホールでの公演模様を収録し、途中に横山剣の語りを挿入したドキュメンタリー仕立てになっている番組だったのですが。

まず、一番「予想外」だったのは「剣さんってもっすごいストイックな人!」って部分。
物凄く真面目、物凄く一生懸命。
音楽に真摯に向き合っているのがとてもよく伝わりました。
でも、その「良く出来た音楽を一生懸命に真面目に演奏する」というスタイルが、果たしてこの「クレイジーケンバンド」の音楽性に合っているのかどうか?は疑問に感じました。

もっと「クレイジーケンバンド」の音楽というのは、音楽そのもののギラギラした虚構性というか、欲望でネラネラ光っているような感じを全面に押し出した方が良いのではないか?と思った次第ですよ。

今の健康的で、真面目で、一生懸命で、明るくて、イヤラシクなくて、親子で楽しめる音楽スタイルも悪くはナイ。とは思いますが。
もっと貪欲に音楽の快楽に溺れる_というスタイルがあってもいいんじゃまいか?と感じましたね。
今のままじゃ、「にこぷんファミリーコンサート」みたいですよ。
どうも音楽性と演奏スタイルの一致が出来てない気がします。
もっと音楽に夢中になって、我を忘れるくらいの「ノリ」があっても良いと思いますよ。ロックなんだし。

で、コッチは実に「クレイジーケンバンド」と対照的でしたね↓

渋さ知らズについて
今まで何度かライヴもテレビで観た事があるし、知った気になってましたが、いやー、ライヴまるまる一本見ると、本当に面白かったですねえ!渋さ知らズ!!
すっかりファンになりましたよ。

まず、この「凶悪なまでのグルーヴ感」が素晴らしいです。
その演奏の殆どは、そのパートでソロを演奏するプレイヤー本人達の即興に頼る部分が大きいのですが、全体を「凶暴なユニゾン」がしっかりと支え、ロックでもあり、ジャズでもあり、舞踏であり、パフォーマンスである「総合アート」がうねりながら爆走し続けるんですね。
まさに「快楽のための装置としての音楽」であります。本当に素晴らしい&脱帽