山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

視覚と聴覚の回路が混線している母娘

とまあ、かようにですね(と、話題は唐突に国立九州博物館に戻る)、ワシが「国宝 油滴天目茶碗」の底で、ちいちゃくなって両足をそのブラックホールに吸い込まれかけている間に、一体、他の家族は何をやっていたのか!?と言いますと。

夫と次女=その辺りを徘徊。
長女=国宝の鎌倉時代に作られた刀剣に魅入られてましたorz

長女があまりにも熱心に見入っているので、「すわ、大丈夫か!?」と少し心配に思って話しかけると、
「なんて優雅で無駄が無い美しさなのだ!」と力説してました>長女。
「純粋に人を殺すための道具だというのに、なんという美しさ!この水のような透明さ、音が聞こえてきそうだ!!」とも力説。

「え?」
とココで気がつくワシ。

実はワシも「目からの刺激」で「音が聞こえてくる体質」なんですよ。
実際には音は聞こえてないんですけどね。
美しい風景やモノを見ると、脳内で勝手に音が鳴り出すんですよ。
具体的にメロディとか「知ってる曲」とかが聞こえてくる訳じゃないんですが。
漠然と「音」?が聞こえるんです。
効果音でもない。
もっと「作為的な音」が聞こえてくるんです。
メロディになりかけの、「音」が脳内で勝手に鳴っているんですね。自分じゃ「ココで音を聞いてこましたろ」とか全然思ってないのに。

___とか書くとまるでキチガ●ですが。
なので、他人に話した事も無いですが、「そんな体質」なんです。

緑滴る山の風景を見たり、山が雲を呼んで雲と山が霧で繋がっている姿を見たり、灰色の空から雪が海に向かって吸い込まれていく様子を見たりしていると、「勝手に脳内音楽」が鳴り響いているんですね。
同様に素晴らしい絵画を見たり、美しいものを目の前にすると同じように音が聞こえます。
で、勝手に一人で(長時間)ウットリしているような、そんな体質なんです。
(あ、逆に「音を聴いて色を感じる」って事もありますね。耳と目の記憶回路が脳みそ内でごっちゃになっているダケかもしれませんが)

なので、この長女の発言で「あ、コレはワシからの遺伝か!?」と思った次第。
もしかしたら人類には「視覚から音を感じる」「聴覚によって視覚を得る」みたいな体質を持つ人が居るのかもしれませんね。

なので、「自分の脳内音」と似た音を実際に聴いちゃうと、その「音」そのものに夢中になったりするワケです。