山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

弦を交換する娘

「やっぱり夢っすか!?どーも話が旨過ぎると思った!!」と長女、叫ぶ。
「どの辺からが夢だ?」と訊ねると、
「えー。やっぱり、あの試験の朝からがどうにもこうにも臭い気がする」と長女。
「そもそも入学試験があんなにも簡単なものだったっつー事が一番怪しい!あそこからが夢だな、絶対!!」と長女、力説しているし。
まあ、いいじゃん夢だって。
玄界灘のモズクもきっと電気虎の夢を見てるのさ。

そして、長女の修行僧の日々はまだまだ続く。
明けても暮れてもトラちゃんを握りしめて、狂ったようにギターを弾き続けているのだ。
「物凄い情熱だな」
ワシ、純粋に感心する。
オマケに付けてもらった10wの小型アンプをアレコレ調整して、自分の好みの音に歪ませて、ガッツンガッツン弾いている。
時々、思わずワシが「はっ!?」とさせられるほどのイイ音を出して弾いている。
本物のグレッチの音に聞こえる時がある。気のせい?

と、突然、長女が「うぇ??ん」と半ベソで部屋から出てきた。トラちゃん片手に。
「あれ?どうしたの??」と見ると、六弦(一番太い弦)が伸びている。
「えーん、弦がダメになったよぉー」と長女。
「泣くな!救援を求めるから」とワシ、近所のロックギタリストに電話。

彼にはかねてから、ウチの長女のギターの師匠になってもらおうと頼んでいたのだ。
すると残念な事に彼はバンドのリハーサルに出かけていった後(3月にライヴがあるので)で、不在であった。
「じゃあ、楽器屋にギターごと持っていって弦の交換のやり方を見せてもらうか」と話していたら、ギタリストから電話が入る。
彼の妻が「電話してあげて」と救援を頼んだらしい。

彼の電話による指示で、なんとか弦の交換の方法を学んだワシ(ワシか!?)
「失敗してもイイから、自分で交換するべきですよ!」と言われる。はいな、了解。
とりあえず、ダンナに頼んで長女を最寄りの楽器店まで連れていってもらう。
帰宅後、長女、ワシの指導の元(耳でコツを聞いただけなのに、指導なんぞして良いのだろうか?)ペンチ片手に弦を貼り替える。
うん、思ったより簡単なのね>エレキギターの弦の交換

長女憧れのギタリストはその昔、自分で初めて弦の交換をやった時はペグに不細工に巻き付けてしまい、「ダンゴみたいだった」と言っていたが、長女は見事、綺麗に巻き付けていたよ。